BSCを用いて、目標達成を目指す好循環な組織づくりを目指せ

事業計画書を作成するポイントである、課題整理の仕方の一つとして、バランストスコアカード(以下、BSC)について取り上げたいと思います。

BSCの4つの視点と2方向の流れ

前回の記事からの再掲となりますが、BSCでは、4つの視点と2方向の流れが生まれます。
4つの視点とは、”財務の視点(経営に関する要素)”、”利用者の視点(利用者満足に関する要素)”、”業務プロセスの視点(サービス内容などに関する要素)”、”成長と学習の視点(人財育成に関する要素)”です。

これらの4つの視点間で2方向の関係性(流れ)が生じます。
”財務の視点”の目標を達成するために何をする

”利用者の視点”の目標を達成するために何をする

”業務プロセスの視点”の目標を達成するために何をする

”成長と学習の視点”の目標を達成するために何をする
という計画立案の流れができます。

そしてBSCのポイントの一つは、
”成長と学習の視点”の目標を達成するための取り組み成果がどうなった

”業務プロセスの視点”の目標を達成するための取り組み成果がどうなった

”利用者の視点”の目標を達成するための取り組み成果がどうなった

”財務の視点”の目標を達成するための取り組み成果がどうなった
という評価(目標達成への検証)の流れができます。

計画立案と評価(目標達成への検証)を行い、経営理念の実現を通して、組織の成長を具現化するというマネジメントシステムです。

ゴールを共有するための数値化

BSCのもう一つのポイントとして、目標の数値化が挙げられます。
BSCのS(スコア)です。
「取り組み成果がどうなったか」を測る指標として、数値化(定量的)された目標設定が必要になります。
ただし、福祉施設の経営においては、必ずしも数値化できる目標ばかりではありません。
「利用者の笑顔あふれるサービス提供」という重点目標があった場合、そのゴールは普遍的であり、定量化できないゴールといえます。

そのような場合は、①出来るだけ定量的な目標を設定できるような行動内容(アクションプラン)を設定する、または②定性的なあるべき姿(ありたい姿)を具体的に示す、の2つが考えられます。
①であれば、「利用者の笑顔あふれるサービス提供」を例えば利用者向けアンケート調査の満足度で測ったり、外部ケアマネジャーからの紹介件数などで測ることが出来ます。
②であれば、ユニットの利用者同士が楽しく会話を楽しめるような仲介役を務めるや日中活動にできるだけ多く参加してもらえるよう声かけを工夫するなどが挙げられるでしょう。

具体的な目標を設定する目的は、ゴールの共有化です。
目指すべきゴールを明確にすることで、組織の一体感の醸成にもつながります。

まとめ

BSCを導入している法人様では、目標を数値化する習慣や、目標達成の意識が高く、目標達成に向けた建設的な意見が活発に出るという組織風土の好循環も効果として現れています。
BSCと戦略マップの相乗効果で、戦略的なツールとしての事業計画書の活用を実現しましょう。

管理人

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?