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VRC環境課 ガメザ与太話

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2019年5月の記事一覧

Man without luck

「ガメザ先輩〜待ってくださいよ〜食べるの早すぎですよ〜」 「うるせぇ、目標見失っちまった分、昼飯の時間が削られてんだ。チンタラ食ってんじゃねぇ。」 昼下がり、少し遅めのランチを終えた2人組がいそいそと店を出る。 「え〜それは先輩があんな人混みの中でよそ見してたからじゃないですか〜」 「そういう時の為にお前がいるんだろうが、ふわふわ浮いてんのは脳ミソか?」 「あ〜!ひっど〜い!それに人前で能力使うなって言ってたのは先輩じゃないですか〜!先輩こそ記憶ふわふわ飛んでいってるんじ

Beer Garden

自分のデスクに腰を落としたのは就業時間から5分過ぎた時だった。 配属されたばかりの頃から向けられる同僚からの軟らかで険悪な視線には何も感じない。自身が反応するのは自分に対しての強い殺意、或いは覇気を纏った物のみで、それ以外は毛ほども意識に触らない。 廊下を出て奥に進んだ扉の先からはいつものアレを感じているが、安月給で済んでいるだけでまだマシな方だ。 処理係は声がかかる時以外、持ち回りで巡回をする。目を擦りながら装備を持ち出す為の書類を書く。 「ふぁ〜あ...」 「ガメザさ