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ため息俳句 蒲団干し

 寒い夜、寝床に入った瞬間の温かな蒲団は、よいものである。
 昼の間日向に干して、日のぬくもりが蓄えられている蒲団である。
 日向の匂いもする。

 今朝方は風もなく、暖かでストーブも朝食後には切ったが、平気だった。
このところ、フルタイムではないが、妻はアルバイトに出ている。ということは、自分は留守番をしているわけで、まあ・・・、暇人である。
 どうも妻には、社会的にまだ有用な人間であろうとする意志が見える。声がかかれば、大抵のことなら引き受ける。生きがいとというとおおげさだろうが、張り合いを感じていることは確かだ。
 他方、自分と云えば定年退職後2年ほど再任用ということでは働いたが、もはやここは己の居るところでないと、さっさと辞めて、以後、「働くことはしない」と宣言し、家に籠ったのである。年金暮らしがきついなら、まず金を使うのを止めればいいのだと、妻はどうあれ我は「清貧」に甘んじて、自らを能無し、用無し、仕方無しの者だと、自分自身を見定めたのである。
 そうして、もう10年以上経った、あの時は言葉でしかなかったが、今やその言葉が実体化して、言葉通りの人になっているのである。
 とはいえ、自分自身は「これでよいのだ」ということにしている。負けおしみでは断じてない。
 ・・・・・、さて今夜の夕飯のあと一品は、何にしよう。


冬うらら用なき身ゆえ蒲団干し


ところで、上の画像、豪華すぎる、お洒落すぎる。陋屋の寝室は、夜は結構冷えるのである。