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ため息俳句 炎暑の足が早い

 当地は、哀しいほどの炎暑の地である。
 毎日のように、テレビニュースの天気予報で、当地が挙げられるを聴くのは、まことのうんざりする。
 今日も今日とて、朝のNHKは38度と云っていた。
 今年は、その暑さが昨年よりも足早にやってきてしまったように感じられる。

うとましや声高妻も梅雨寒も  久保田万太郎

 などという句があるが、内のかみさんの声の高さは一年中だが、今年について云うなら「梅雨寒」なんて日があるのだろうかと、そのほうが疎ましく感じられる。
 
 畑の向日葵は、もう賑やかに咲きそろって、当地の祇園祭り頃に花期も終わってしまうかと思われる。この高温は花の咲く時期も変えてしまった。
 これは、おそらく夏野菜にも影響しているはずで、お盆頃ころの茄子や胡瓜がどうなっているのかと心配になる。

 とにかく、市役所の防災放送は、暑いのでなるべく戸外での運動を控えろ、無用な外出はせぬように、喉が乾かずとも時間ごとに水を飲め、などと放送する。互いに声を掛け合い熱中症に罹らぬようにしましょうなどと、呼びかけている。
 熱中症警戒アラートというのだそうな。
 この放送、先のコロナパンデミックの「不要不急の外出は避け、ステイホーム」というあれに似ている。あの頃も、防災放送であった。
 
 地球の温暖化などというのは、フェイクだと主張する人々もいるようだが、その真偽はどうであれ、「暑い」のは事実で、命の危険まで警告されるのだ。

 その地球温暖化は、天災ではなく、人間の文明が引き起こしたものだとはっきりしている。それなら、人の知恵でなんとかせにゃならんわけだが、世界の趨勢は温暖化阻止に足並みがそろってはいない。日本政府の本気度もどうであろう。原発再開の口実に利用するぐらいが落ちのように見える。

 西東三鬼の有名なあの句。

おそるべき君等の乳房夏来る  三鬼

 この夏は輝いて、生命力が横溢している。
 そんな肯定的な「夏」が、懐かしい。


扇風機首振りまで息を止む   空茶

発願す「ガツン、とみかん」棒供養


蛇足注)「ガツン、とみかん」はアイスキャンディ(赤城乳業)。江頭2:50が推奨している。小生も大いに好んでいる。