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「古今十七文字徘徊」帖

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古今のふれあった俳句作品についての所感を記録しておくノートのまとめです。作品にふれあうというのは、きわめて個人的なことで、古典として名高い名句とか、コンクールの優秀作品とか、そう…
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#茂吉

#20 野畠や大鶏頭の自然花 一茶

#20 野畠や大鶏頭の自然花 一茶

 秋の七草もよろしいのだが、秋を極める花は、鶏頭であるかもしれない。その証とも言えそうな茂吉の一首。

鶏頭の古りたる紅の見ゆるまでわが庭のへに月ぞ照りける 茂吉

 
 名月と鶏頭、意外な組み合わせであるが、似合いそうだ。
 では、これはどうだろう。

名月や鶏頭花もにょっきにょき 良寛

 名月ではないが、同じく良寛で。

綿は白しこなたは赤し鶏頭花

 今盛んに、我が菜園でも綿が吹いている最

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