マガジンのカバー画像

「古今十七文字徘徊」帖

22
古今のふれあった俳句作品についての所感を記録しておくノートのまとめです。作品にふれあうというのは、きわめて個人的なことで、古典として名高い名句とか、コンクールの優秀作品とか、そう…
運営しているクリエイター

#馬

#6 桃さくや片荷ゆるみし孕馬 井月  

#6 桃さくや片荷ゆるみし孕馬 井月  

  井上井月の句を見ていると、句に大袈裟なことばの身振り手振りがないところに一番惹かれる。自分のような生半可な俳句初心者でも、概ね理解できる作品がほとんどである。
 一定の事前知識等というか文化的素養をもたない人であっても、わかる言葉で俳句を作ったのは一茶であるが、少し時代を下がって井月もそうであるように思う。
 といっても、一茶も井月も当人は、詩歌についてはそれ相応に知識や修練の時期が基盤にあっ

もっとみる