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「ため息俳句」はじまりの25まで

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俳句をたしまなれる方々には世に月並俳句と云われれば、お腹立ちのことと思います。しかし、俳句のよしあしなど皆目見当もつかない老人ゆえ、せめて「月並」と云われたいと願う始まりの25回… もっと読む
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記事一覧

ため息俳句2 冬ざれ

冬ざれや己の影を踏む遊び  ひとりぼっちの戯れと云う勿れ。  一人あそび、これが一番気楽…

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ため息俳句3 貧乏ゆすり

 まったく、個人的なことである。    極私的な音楽への反射行動である。  その曲を耳に…

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ため息俳句4 隠しごと

 散歩、野鳥の森の奥の小さな池まで。  木々は枝を晒して、野鳥の観察には絶好の季節である…

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ため息俳句5 着ぶくれ

  高度経済成長期の中頃、市が造成した住宅団地内の公園を通りぬけて、散歩は行く。 ブラン…

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ため息俳句6 水仙

庭先の日だまりに水仙が咲いている。 山茶花の他は殺風景であったのだが、・・・。 清楚なの…

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ため息俳句7 冬銀河

日が暮れてから、戸外に出ること自体がなくなった。 夜出歩く用事がほとんどない。 友人のいな…

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ため息俳句8 シクラメン

 この冬最強の寒波が週明けにはこの列島を蔽うのだと、天気予報は頻りだ。  そうであれば、いつもように家に籠もればいい。  この頃、何ごとにつけて投げやりになってきた。気になることがあっても、ほおって置けば、なるようになると、いうのが半分、どんなにじたばたしたところで、なるようにしかならないと、いうのが半分。どちらにしろ、結果はそう差が無い。そんな風に、・・・・、自分の場合は確実に、心身ともに経年劣化している。 待つことに馴れて窓辺のシクラメン

ため息俳句9 冬土用

 晩年は「晴耕雨読」の日々を送りたいものだと、そんな希望をお持ちの方も少なくないようだ。…

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ため息俳句10  夕餉

 明日の夜から、大寒波が襲来する、準備万端ぬかりなくと、テレビのニュースバラエティ番組が…

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ため息俳句11  寒波来

午後四時ごろ、北西の強風にのって風花が舞っていた。 10年に一度の寒波の来襲と警告するだけ…

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ため息俳句12 凍結

   眠る間にすべての蛇口凍結す  関東のほぼ中央部のこの地は、10時34分現在快晴、でも空…

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ため息俳句13 雪の日

小雪舞うかの古書店で叱られし  田舎町であったが、古書店が数店舗あった。  その中でも、…

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ため息俳句14 寒椿

      俺は首どこで落とした寒椿  人に切られた訳でない。  自分がどこかに忘れてき…

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ため息俳句15 蝋梅

 あたかも名が、その人物の性質に通じるかのようなことを云う人がいる。    事に触れてよく口にされる「名は体を表す 」というのは、仏語の「名詮自性」からでたことばであるそうな。  人から氏名を尋ねられて、それは漢字書きにすると、どんな文字で表記するかを答える際、自分はいつも気恥しく感じる。名は音である、訓読みに言い直さないと伝わらない、ために、その訓読みを口にするがいつも面はゆいのだ。  蝋梅は、梅ではない。ではなぜそう名付けられたかというと、蝋梅の香りが、梅の香りに通ず