23/9/5 レジェンドの出演
今日の「あさイチ」に紙切りのレジェンド・林家正楽さんが出演するということで、見た。鶴川落語会の下座を務める松尾あささんも出るので、もう張り切ってみた。前座さんは扇ぱいさん。演芸ファンにとって、正楽さんの存在はとても大きい。私だけではなく、他の演芸ファンも朝から眼福だったことでしょう。録画もしているので、また見ようと思う。
思ったこととして、他の出演者は別として、芸人の博多華丸・大吉のお二人は、さすがに紙切りという芸の存在はご存知だったと思う。が、出演者全員が全く知らない体で進んでいき、「知らない世界を新鮮に見ている」感が強かった。あさイチという番組の性質上それが正解なのかもしれないけれど、もう一歩紙切りの面白さに突っ込んでもらいたかった。(最後に皆で紙切りをやってみることが番組の最たる目的であったことも理解しているのだけどね)
それは決して、マニア受けにしかならないとか、時間が足りないからとか、生放送だからとかそういう理由で避けることではない。
例えば、正楽さんが最初に切った「馬」。あれはアナザーサイド・B面の切り抜かれた側の紙も、バラバラに切り離されることなくちゃんと「馬」なので、それも見せられたらさらに盛り上がっただろうし、最後に「リクエスト」を正楽さんが聞いた時、「正楽さんのいちばんの得意を」だなんて、なんとつまらないことか。正楽さんが全く活かせないではないの。誰が何をリクエスするかくらいは決めておけばよかったのではと思う。(もちろん、正楽さんにリクエスト内容を教える必要はなく。)正楽さんが一枚上手で、ちゃんと朝ドラのネタを仕込んでいて、大いに盛り上がってコーナーを終えられたのだけど、あれは番組サイドがちゃんと考えておかねばならないことです。(もしかしたら、番組側から正楽さんに最後に何を切るかの相談があったのかも知れないけど)寄席演芸の芸人さんが日頃寄席というライブで、どれだけ即興力を身につけているかがわかった放送で、本当に感動した。
コーナー内の質問で「正楽さんはどこに行けば見られますか?」という質問があり(この質問はあまりにもベタなので番組側の仕込みかもしれないけど)正楽さんが「寄席で」と答えていらしたけど、そうか、そういう状況なんだなと。紙切りという芸がどこで見られるのか知らないし、もしかしたらこの放送で初めて紙切りを見たって方もいらっしゃるのではと思うと、やはり寄席演芸を提供する側がもっと広く知ってもらえるよう、務めねばならないと実感した。知れば好きになってもらえるはずだから。
斜陽産業になってきたとは言え、まだまだテレビは強い。寄席演芸とテレビの相性は決して良いとは言えないけれど、もう少し取り上げていただけたら・・・と思う。視聴者側も、今は逆に新鮮に感じて楽しんでくれると思うのだけど、どうでしょう。てか、正楽さん、次は「徹子の部屋」か、「プロフェッショナル・仕事の流儀」あたりでどうか。
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