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24/3/4 良い記憶を残していくぞ

3/4、フジテレビの球体コンサートのお手伝いに行ってきた。フジテレビの球体部分に入る体験なんて、そう頻繁にあることじゃない。仕事なのに、ミーハーな気持ち満々。指令通りに動けばいい立場の気楽な仕事だったから、そんな気持ちでいられたのだろう。自分が主催だったらそれどころじゃない。

メインの仕事は受付対応。お客様へ入場者特典としてお渡しする折込のアッセンブリ作業も。本番も含め、貴重な体験で、球体から見える夜景も最高だった。東京タワーをあの位置に建てた人たち、ブラボー。疲れたけれど、心地よい疲れ。楽しく働いた。

行きは荷物運搬の車に乗せてもらったのだけど、帰りは電車。乗換案内のアプリで調べると、りんかい線の東京テレポート駅利用が便利そうだとわかった。埼京線乗り入れで、新宿まで直通。ゆりかもめしか交通手段がないという印象が染み込み過ぎて、りんかい線がいつから存在する線なのか、そもそも存在の認知すらなかった。開通が子育てで忙しい時期だったのだろうか。そんな認識だから、利用したことない線だと思い込んでいた。

道に迷いながらも、東京テレポート駅になんとか辿り着き、りんかい線に乗ったところで、次の停車駅が天王洲アイルと知った。天王洲アイル。地名としての認知だけじゃなく、利用したことがある駅名として記憶していた。数年前(何年前かの記憶なし)と言っても、そう昔じゃない過去に降りたことがある駅。マスクしてたから、4年以内かな。ということは、私はりんかい線に乗ったことがあるってことか。数年前なのに、記憶が消えている自分に驚く。

天王洲アイル駅に来たのは、なぜだったか。そこに建つスタジオで行われたテレビ番組の収録見学に来たのだと思い出す。駅から7分くらい歩いた。途中橋を渡った。スタジオの休憩コーナーから見える運河の眺め。その休憩コーナーで長く待っていたわけだけど、実は存在を忘れられていて、収録が始まる直前に慌てて中に誘導されたこと。誘われて行ったのに、妙にスタッフが冷たかったこと。来ないほうが良かったのでは、もしかして私、社交辞令を間に受けた?と不安になったこと。でも、せっかく遠くから来たし。誘ってくれたのだから悪気はないはず。皆忙しいだけだと自分に言い聞かせたこと。それでも帰りは落ち込んで、何で来ちゃったんだろうと思ったこと。そうだ、そうだったと、錆びついた記憶の引き出しがギシギシ音を立てて開いた。

そんなことは思い出すのに、肝心な収録番組の内容は全く思い出せない。多分あの番組だろうとは思うのだけど、どんなに記憶を呼び起こそうとしても、その記憶の引き出しは既に存在しないっぽい。自分で思うよりダメージ受けたのだろう、記憶を消去したようだ。それでも負の感情の記憶はそう簡単に消えないから、錆びついても残っていた。そんなところだろう。

さっきまでの仕事で出会った、美しい夜景、素敵な人々や、大変だったけど少しは役に立てた自分への自負、珍しい体験と素晴らしいコンサートの興奮に包まれていたのに、負の記憶に切り替わってしまった。思い出さないで済むことを思い出してしまった。仕方ないけど。

これからは、良い記憶が残る体験を積み重ねたい。忙しいことや大変なことでも、そこに必要な人として存在できれば、きっと良い記憶になる。粗雑に扱われるのは悲しい。人にそういう思いをさせないようにしたいのもあるし、自分の存在を否定することにつながる体験は減らしたいなあと思った。苦い記憶は、あまり増やしたくない。

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