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スナック月曜の保健室 vol.1


なんでスナックやってるんですか?
と聞かれすぎるので、考えながら書いていこうかなと思います。
シンプルに言えば、
「一度やってみたかったのよ。」
「で、やったら楽しかったのよ。」


とはいえ、改めて言葉にすることで大切なものに気づいたり、省みたり、新たな道に進むきっかけになるかもしれない。
そう思って少しずつ残してみようと思うのです。


いま

〇毎週月曜日の夜だけ営業
▶︎ https://www.facebook.com/sunahokenshitsu/

(Facebookやらない人も多いので、そろそろインスタくらいはやりたいなあと思って、半年くらい経ってる)
赤坂見附のスナックひきだしさんをおかりして営業しています。
他の日は、本業①(会社の保健室のお仕事)や、本業③(Beingで生きるpjのサポート)をしています。

スナックひきだし
  ▶https://hikidashi.co.jp/snack-hikidashi/
毎週固定のママもいれば、月に1回のママ・マスターもいらっしゃいます。オーナーは昼スナックで有名な紫乃ママです。



どんな場?

〇スナックで何をしているの?
飲み物出してる(笑)
血圧とか体重測るとかはやってません。(やったこともあったけど)
白衣も着ないし、俗にいう保健室っぽさはゼロかもですね。
ほんものの保健師がカウンターに立っていて、会話があるというだけのシンプルな場です。


〇日常では話にくいことも話題にしていい場
これはやってみてわかったことです。
例えば、病気や死について。意外にも「むかしうつ病だったよ」「(診断されていなくても)メンタルやばくて仕事やめたことある」という方が多いです。わざわざ話題にしないだけでみんな人生の波や厳しい冬を体験しているのだなと思います。
死についても同じ。生まれた人はみんなを迎えます。そして大抵の人は自分の死の前に他人の死を何回か体験します。それなのに誰かの死を自分の中でどう扱うかをほとんど教えられずに生きています。(昔はお家で葬儀をしたり地域で手伝うことを通して体験していたのでしょうけれど)
喪失という大きな悲しみは1人でかかえるものではないと思っています。でも現代においては友人や職場の人と共有するには重すぎる部分があるのかもしれない。家族とでさえ(もしくは家族だからこそ)難しいこともある。
そういうときに、しがらみのない他人の存在がちょうどよいのかなと思います。
この人になら話てもいいかな?このスナックなら話してもいいよね?と感じてくださったのなら本望です。

〇日常では聞きにくいことが聞こえてくる場
スナックではカウンターの端っこで誰かが話していることが聞こえてきます。単純に、おもしろそう!それ興味ある!という話題があれば、会話が生まれてそこから繋がりがうまれることもしばしば。

一方で、繋がらない交流もあると思っています。
日常ではあまり話題にならないはずのうっすら聞こえてきたこと(不調をかかえたことがある、大切な人を亡くしたなど)に、
あぁ、そういうことがあるんだ...、自分もそうだったな...、 うちの部下もそう思っているのかな...、上司も大変なのかも...、家族はどう思っているのかな... と、間接的に何かに気づかされることもあるかも。わざわざ、声をかけたり名刺交換しなくても、流れている言葉がたまたま居合わせた人間に何かの変化をもたらすことがあるんじゃないかなと思います。そういう偶然のような必然が起こる場なのかもと最近感じています。


〇それぞれのサードプレイス
自宅、職場とは異なる場。義務も役割もない場があると、いつもとは違うコミュニケーションがうまれ、新たな価値観に出会えるかも。気を使わない場でお喋りしているうちに余剰ストレスが減ったり、心に余裕ができるかも。話すは放すとも言いいますから。

行きたいときに行く、離れたい時は離れる、そういう場をいくつかもっているといいですね。
スナックもそんな場になるといいなと思っています。



〇おまけ:産業保健の保健室
医療業界の中でもニッチな産業保健。
この業界の医師や看護職心理職士業の方々が来てくださるようになりました。産業保健師になりたいんです!という現役看護師さんまでも。
学会や研修ではなく、スナックという場でおしゃべりできるのはなかなかない体験です。
そして若手保健職のためにペイフォワードボトルを入れてくれる大人がいます。これを引き継いでいくのは誰かな?



そもそものきっかけ
保健師1年目のショック

さかのぼること保健師1年目。
病棟で働く看護師から、産業保健に転職して最初に学び、身につけるものが
健診結果を活用した「保健指導」でした。
ちなみに「保健指導」という言葉については強制力を感じるなどネガティブな意見がありますしわたしも日常業務では使いませんが、法律にもある大事な言葉なので用います。

第二条 この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。
保健師助産師看護師法
(平一一法一六〇・平一三法一五三・一部改正)


新人保健師として、理論に基づいた保健指導を教育してもらいました。当時私がイメージしていた保健指導とは違いました。病棟でみかけたあらゆる「指導」とも違います。押しつけはなく、脅しもなく、対人支援職としての態度や姿勢を学びました。そしていざ実践へ。

そこには、「呼び出された」「説教される」「めんどくせー」と思っていそうな社員さんがままいました。過去の学校教育でのイメージにある「生徒指導」の体験なのか、それまでの保健指導からの学習なのか?
理由はわからないけど、とにかくバツの悪そうな顔をして萎縮していたり、逆にあからさまに不機嫌だったりする大人がいました。
こちらにそんなつもりがなくてもこんなに嫌がられるものなのか。。。と少しショックがありました。
それでも、わざわざ仕事中に来てくれたことの感謝を伝え、この場の目的を伝えればほとんどの方は理解してくれます。ご本人の困り事や気をつけていること、興味関心を伺ってみれば、お顔もゆるんで「保健」について話し合うことができました。


こういう体験をしていく中で、会社の保健室は堅苦しい。保健指導は説教。わたしは説教ババア。というイメージになるのはイヤだなと思いました。
→もっと楽しい場にできないかな?
→例えば銀座のクラブみたいに社員さんがよろこんで来てくれる場にできないか?
→ん?なんなら私もそのほうが楽しいんですけど!?
なんて想像していました。(同僚や上司、産業医にもよく話してました)
でも、まだまだひよっこで実力もないのにふざけたことはしたくない。そう思って10数年経ち、独立もできてやっと自分にOKが出せるようになりました。
そんなこんなで
2019年10月23日
Bar保健室が生まれ、2020年にスナック月曜の保健室となりました。


実際にBar保健室が生まれたときのことはまた書きます^^
(いつになるのかな。。。)



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