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アンサーnote ▶︎キャリアの棚卸実験


COEDOHという産業保健に関わるオンラインコミュニティでキャリアについてお話ししたことがあります。その後、聴講していたyuuさんからキャリアの棚卸セッションの希望がありました。
当時のわたしは個人セッションを事業としてお受けする方針はなく、またお受けできるほどの経験も自信もなかったので、契約はせずに2人の実験ということにしました。
セッションをお受けする条件はこの実験をyuuさんの言葉でSNS等に残すこと。
それをお願いした理由は、彼女のように、ある程度のキャリアがありつつも「いまいち自信がもてない」「経験があるからこそ迷っている」方の役に立つかもしれないと思ったからです。

彼女の実験記録noteはこちらです↓↓

結構タフな場面もあったよね、とその時のことを思い起こしながら読みました。




①打ち合わせ(オンライン)

メールではわからないyuuさんの思い、意図を伺いました。
この時に大切にしたかったのは、わたしに棚卸しセッションの依頼をするという行動にいたるまでのプロセスとアクションをおこしてみての今の想い。
そういったことを聞いていく中で、”ほんとうの理由”が見えやすくなるし、その人の内にある輝き(生命力・能力・才能みたいなもの)を感じることができるのでわたしはこの時間を大事にしました。



②準備:年表づくり(宿題)

書式は指定しなかったけれど、①年齢 ②出来事 ③そのときの思い ④学びを書いてもらうようにしました。(ちょっとちがうかもしれないけど)

これは過去の自分の経験をひとつずつ思い出すことが目的です。
わたしにとって、
キャリアについて考えること = 「すでにある」ことを大切に扱うことと + 「今」をスタート地点とすること。
なので、すでにある「過去」の沢山の経験や学びを自分の手で書き出して実際に目でみられるように年表の作成をお願いしました。
現在地である「今」をみることではじめて、これからの「未来」に何が活かせそうか、何が欲しいかということを描けるのではないか思います。


③メイン:棚卸しセッション


出来事そのものを説明してもらいながら、なによりも大切にしたかったのがその時の想いやその出来事からの学び。
ここでの目的はあくまですでにある自分の宝物をみつけること。例えそのときはネガティブであった出来事でも時が経ってから振り返ってみると違う捉え方ができるかもしれません。また、過去のある体験が別の体験とつながり今の自分に影響しているのだと気づくこともあるかもしれません。

棚卸しを他人とすることの意味(のひとつ)
↓↓そのときのyuuさんの記事引用
(アドバイスだっかたどうかは別として)

自己承認と他者承認
“わかっているつもりでも、どれだけ自己承認しているつもりでも、客観的にアドバイスしていただけると、自分自身への落とし込み方に深みが増す。


自分だけでなく、他者とのやりとりによって自分のの体験や大切にしていたことを再確認してしっかり握ることができるのだと思います。

Y:あれ?わたし当時にしてはよくやった気がします。
 M:そうよ
Y:ああ、私がんばりましたよね?
 M:そうよ
Y:そう自分に言っていいんですよね?
(Y:そうよ)
Y:いやあ~!よくやったよね!Good!!

みたいなイメージ。
他者とのやりとりをして、
自分で自分に「そうよ」と言いやすくなるのだと思います。

他にも、自分だけでは気づきにくい視点や視座をもつきっかけにもなるので、ひとりではなく他者の力をかりるのは大切だなと思います。


③最終回までの宿題 

 次回最終回までに、「自分の強みを50個書いてください」とお願いしました。打ち合わせからセッションを通して感じたのは、Yuuさんはずいぶん自信を消耗してきたのではないかな?ということ。
転職活動や仕事で受けとってしまった他者評価は、じわじわエネルギーを消耗させるのかもしれません。
採用・不採用は自分の努力だけではどうにもならないことがあります。でもどんなにそれを頭で理解しようとしても自分の至らなさや弱みを大きく感じて、自分自身の価値がなくなっていくような感覚になることもあるのではないかと思います。
ですので、そういう社会の身勝手な評価視点はひとまず置いて、無理やりでもいいから自分がもっている強みをわがままに書きだす。その思考プロセスを体験してほしいという意図でお願いしました。
え!そんなに?と言われて、いや100個にしてもいいんだぞ。と内心思ったけどそれは言わないで、いいからとにかく50個出してねという圧を笑顔で伝えて終了しました。

とはいえ、noteを読んだら想像をこえた苦難?なだったようです。
↓↓(まさかネットにお世話になるとは)


「自分でやらないと気が済まない→主体性」のように、いわゆる短所と思われる特性をどう長所に変換していくのか、語彙力低めのため、ネットにたくさんお世話になった。「こんなふうに前向きに捉えてええんか?」と自問自答しながら、なんとか35個くらい準備することができた(宿題クリアできていないなんて小学生かよ!)


④最終回

 50個できませんでした…と静かに仰るYuuさん。
正直、もともと数なんかどうでもよくて(ごめんなさいw)そのプロセスを「体験」してほしかったのでまったく問題なし!でした。
そしてその苦難?の結果、自分で書いたMY強みを信じてほしいなと思って、あえてひとつずつ言葉にだして教えてもらいました。

...

あらまあ美しいじゃないの。
じーんとしたわよね。



ただひとつ打ち合わせ時から「自己肯定感」という言葉がよく使われていたことが気になっていました。
自己肯定感という言葉とそれに付随する評価思考にあまりとらわれない方がいいなと思い、私自身がメンターや尊敬する方々から教えてもらった”自己信頼”という考え方を紹介しました。


”自己信頼”
世間では「自己肯定感」という言葉のほうが馴染みがあるかもしれません。でも自己肯定感という言葉にはもれなく高低がついて表現されます。「自己肯定感高めるには?」とか「どうせ自己肯定感低いから…」など。そういうジャッジメントの思考が自分の可能性を狭めたりそれこそ自己肯定感を下げてしまうこともあるのでは?と思っています。
それよりも、ただ生きている自分自身の存在をまるっと信頼すること、存在価値を信じることの感覚のほうが、健やかで自分を応援してくれるのではないかと思います。



おわりに

キャリアの棚卸しのわりには、具体的な知識やスキルの話はあまりしませんでした。理由は、彼女にはすでにある程度の知識やスキルがあるように思ったから。(わたしよりあったりする)
そこからさらに、彼女に必要そうな資格や勉強を提案し、戦略的キャリアプランの立案をサポートすることもできますが、それでは今までの延長になるだけでは?と思いました。

今回の実験が、自分の体験をふりかえり、自分の過去を捉え直すこと、自分がすでに持っている宝物を信じて、次のステージに向け歩き出すひとつの機会になればいいなと思いました。
そうしたら、きっとわたしが提案しなくても、ご自分で必要なものを選び歩いていけるのではないか?そう考えました。


~アンサーnoteを書いて~

*ずっと書きたいなぁと思いながら月日が経ちました。ちょうど一年前の今日彼女が書いてくれたのでそれまでには書き上げたい。そう思ってなんとかできました。いつもぎりぎりエヘ。


普段のおしごとでもそうなのですが、その人の生命力・能力・才能のような光を観て感じるのが大好きです。そしてそれを活かすには今何が必要か?必要でないか?を考えることも。
今回もそうだったなと改めて思いました。


新しく何かを始めたくて悩むこともあるけれど、
逆にある程度のキャリアがあるからこその壁もあると思います。

がむしゃらにやってきた
それなりだけどやってきた
評価されたこともある
経験の割に何もないかも?

だけど、これからどうしよう??
と。

前に進みにくい、でも後戻りもできない。
そんな時は一度立ち止まって自分が積み重ねてきた財産をたしかめたらいい。
きっと仕事のことだけでなく自分の生き方や大切な人とのことも考えることになると思います。
もしかしたら苦みや痛みや恐れも感じるかもしれませんが、
それを癒やすことができてはじめて安心して次の旅をはじめられるのではないかと思っています。

わたしもみんなもその旅の途中


誰もがそのひとのありのままの力を信じて
そのひとらしく生きられますように
よき旅になりますように

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