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(後編)転職後の不満・ストレス体験が役にたってる。不満を不満のままに、我慢しない。



前編で力尽きてしまって間があきました。


後編は、

4.臨床とは違う時間の流れ
5.非効率な作業
6.通勤ラッシュ
さいごに
 転職・就職したばかりにしか体験できないこと

4.臨床とは違う時間の流れ
臨床からの転職直後の戸惑い、イライラのもとになったのはゆっくりすぎる時間です。忙しいよりいいじゃないか?と今は思うこともできますが、当時の私はなんてもったいないことをしているのだ!!と感じていました。
臨床では、勤務中の行動は5分、10分単位で考えていましたし、患者さんが急変したり急患がくるかもしれないので、できることは早め早めに全力でやる。という緊張度高めの全力疾走スタイルでした。それが、転職後は時間は半日単位くらいになり、早め早めに全力でやると時間があまってしまうのでした(笑)。
結果:ちょっとゆとりもって仕事をした。空いた時間は資料を読んだり、ロールプレイをしたり、丁寧に自己計画を立てること。贅沢な環境でした。(なんであんなに苛立っていたのか……)
反省と学び:この時間軸の違いを自社で体験したことは、わたしにとって2つの視点で役立ちました。
1つは、業務のすすめ方の視点です。例えば臨床では医師の指示があれば特別なことがない限り関係者はその指示通りに動きます。また、何か患者さんの治療や療養に問題があれば、それはすぐに改善・解決すべきことであり関係者は当然ながらそれに取り組んでいました。
「指示」 = やらねばならないこと = 指定された時間にすぐやるもの
「問題」 = すぐに改善・解決するもの

ところが、産業の世界にきてみるとこれが当たり前ではありませんでした。
「法令」 = やらねばならないこと ≠ すぐやるもの
「問題」 ≠ すぐに改善・解決するもの

なにかを改善したり新しいことをするのは思った以上に手順が必要でした。法令や理想論、正論だけでは物事は動きません。現在地の確認、事前の説明、そのための資料づくり、根回しのようなことが必要でずいぶん時間がかかります。すぐ解決できるのに!とイライラしても仕方ありません。自分の価値観を押しつけたり焦ったりしないでその場に応じた手順やお作法を大切にすることを学びました。

2つめは、セルフマネジメントの視点です。
単純に、全力疾走では長続きしにくいですね……。100%の全力疾走が当たり前だと思っていて、仕事への姿勢は厳しくて緊張していてピリピリしていました。しかもそれを自分にも他者にも求めていたのでいい影響を与えなかったと思います。
せめて、一息ついて、自分も周囲も見渡せる時間と心の余裕は必要ですね。

5.非効率な作業
「とりあえず今までもそうだったから」という言葉を聞いて、「う……前例主義か……」と決めつけたし、ムダがゆるせなかったわたしはまたもや苛立ちました。でも、PCでやればすぐ終わることを「紙とはさみと糊」を渡される超アナログな作業だったのでなんだかふっきれてしまい同期とこれもいいよねと楽しみました。

結果:とりあえずその通りにした。1年後に同じ仕事が発生したので改善提案して少し効率よくなりました。
反省と学び:「とりあえず今までもそうだったから」という言葉を聞いて、「前例主義」なんて決めつけてはいけませんねえ。そういう気持ちは言動や態度にでてしまいます。(出てました。ごめんなさい)
新人にはわからない理由があるのかもしれませんし、非効率なものでも学習としての意図があるのかもしれません。
また、産業保健の現場では、臨床から見ると非効率の極みのような場面にまま出くわします。健診結果が紙であることがその代表例でしょうか。
それでも、費用対効果を考えると紙のままのほうがよいこともあります。それは事業所の事情によってかわってくるでしょう。紙=非効率=悪みたいに決めつけず、こだわりすぎず、状況によって柔軟に判断したり、これが現実だねと受容することも大切になると思っています。

(*アナログ仕事の改善例のように、諸事情がわかってから、1年後に提案したほうがスムーズにできることがよくあります)


6.通勤ラッシュ
もうこれは、なんでしょう。。。
転職当時は、通勤ラッシュが久しぶりすぎて、職場にたどりついたときには1日が終わったかのような疲労感でした。しかも、不愉快な事件が電車ではおこりやすいし。おかしいと思う。。
結果:ルートの工夫、時間をずらすくらい?でも読書の時間にはなった。
反省と学び:乗らなくてすむ方法を考える→独立するww
(半分冗談で半分本気です)

うーん。本当に通勤ラッシュは仕方ない気がします。そんな中みんな工夫しているのだと思います。ただ、やはりストレスがかかっているということは認識しておいたほうがいいと思います。「慣れてきた」と思っても身体は嫌がり続けているかもしれないし。毎日よくがんばったね♥と自分に言ってあげるくらいのことはしていいと思います。


は。。。色々あったみたいです。
くだらないことが多かったなと今では思いますが、当時のわたしは必死で視野が狭く余裕がありませんでしたしなんでもかんでも誰かや環境のせいにする他責傾向でした。ただ、その他責さと未熟ゆえの「なんとかしたい!」という思いがあり、そこから目的はなんなのか?変えるにはどうしたらよいのか?と試行錯誤したのだと思います。(態度や言葉づかいについてはもう謝るしかないです)
→今は、理論も学んだので、少しは冷静に「目的と状況に合わせて柔軟に方法を考える」という思考を意識しています。

一方で、自分を責めすぎるのも具合がわるいなと思います。自分勝手に我慢して疲弊するのはもったいない。我慢していると苦しくなるし、「わたしはこんなに我慢しているのに」「なぜわかってくれないのか」と不満がうまれやすいです。(意識していなくても潜在的な不満はうまれる可能性があります)
→仏教では、我慢とは我に対する慢心という意味があるそうですから。




さいごに
転職したばかりの異文化での違和感はそのときならではの体感覚です。きっと半年くらいたつとなじんでしまい、次に入ってきた人の気持ちがわからなくなってしまう。そして、私もそうだったよと言い捨ててその人の気持ちをわかろうとしなくなるかもしれません。
でも、新しい世界に入ったときに、誰かが共感してくれたらそんな心強いことってないんじゃないかしら。そういう誰かになれるようにしておくためにも、転職した人、就職した人は新しい環境で最初にしか感じられない様々な事象を大切に、メモでもいいのでのこしておくといいと思います。誰かのために。
本当は自分のためになんですけどね。書き出すことは吐き出すことでもあり、いらないものを捨てる行為でもあります。不要なものを手放したら、そんなに自分や周囲を責めなくてもいいと気づくかもしれないし、そこから見えてくるものがあるんじゃないかなと思います。

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