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Mom has a pacemaker 020

 2週間ぶりに、実家に帰省した。
 暖かくなり、父の遺産のメダカ達も、元気に泳いでいた。もう、卵を生んでいる。
 母は、相変わらず忙しそうだ。グランドゴルフ・ペタンク・輪投げ・民謡。老人会の役員も、前年度で辞めると言っていたけれど「次にやる予定の方が突然亡くなり、また自分がやる事になってしまった」と言って、会報の文章を作成していた。
 夜、母が近くに住む友達の所へ、缶酎ハイ持参で遊びに行き、数時間後に戻ってきた。かなりほろ酔い状態。「お風呂入ってきたら?」と言うと「まだ、いい。今日はもう、お風呂入らない」と言って、冷蔵庫から缶酎ハイを出して、また飲んでいた。私はお酒を飲まないので、晩酌の付き合いはできないけれど、話しなら聞ける。飲みながら、母は「まともに話しが出来る友達が、皆、病気になったり、認知症になったりして、話し相手がいなくて、淋しい」と言っていた。
 “長生き=幸せ”とは限らないんだな、と思った。
 母は、話したい事をいろいろと喋ってさっぱりしたのか、「お風呂に入ってくるね~」と、入浴しに行った。
 翌日、「ねえ、私、昨日お風呂入った?」と言うので、「入ったじゃん。お酒飲んで、喋って、その後」「エッ!お酒も飲んだ?」だって。

 数日後に、民謡の発表会があるので、カセットテープを前にして、練習を重ねている母。歌以外にも、前奏と間奏も「チャチャチャン、チャチャチャン」と歌っているので、笑える。