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感受性が高すぎてプーさんのハニーハントで号泣した話

 先日ディズニーランドに行ったとき、プーさんのハニーハントに乗った。ディズニーランドに行くのは10年ぶりくらいだったので「ハニーポットに乗って、途中で跳ねるんだよな〜」くらいしか覚えていなかった。

 乗り物は物語的に進むタイプのアトラクションで、

・プーさんがハチミツを取るために、クリストファーロビンから風船をもらう。
・風船を使ってハチミツの木まで登ろうとするが、強風の日だったため風に飛ばされる。
・ハチミツ泥棒にハチミツを取られるという悪夢を見る。
・起きるとハチミツの木にいた。
・天の声「こうして風の強い夜、夢を見ていたプーさんは、風船と一緒にはちみつの木の上に飛ばされました。はちみつをおなかいっぱい食べて、プーさんはとても幸せでした。」

(天の声はセリフを書き出していたブログ複数より引用)

というハッピーエンドなお話である。


 ある程度大人になると「この話はこういうオチだろうな」と無意識に考えてしまうが、もちろんプーさんのハニーハントも例外ではなかった。
 プーさんはハチミツに目がないあまり、よく事故を起こすという特徴をなんとなく知っていた。そのためアトラクションの中盤(悪夢のシーン)ぐらいで「風の強い日に風船でハチミツを取りに行くような無茶はよくないね、トホホ……」みたいな教訓系な話か、「ハチミツ泥棒からハチミツを取り返せてたくさんのハチミツ嬉しい!!と思ったら夢でした」みたいな夢オチかな、と無意識に思っていた。

 しかし

・天の声「こうして風の強い夜、夢を見ていたプーさんは、風船と一緒にはちみつの木の上に飛ばされました。はちみつをおなかいっぱい食べて、プーさんはとても幸せでした。」

ということで、誰かに咎められるような教訓系の話でも、いっときの幸せを掴めたが幻だったという少し悲しい夢オチでもなく、ただただ幸せで終わるというハッピーエンドだった。


 号泣した。


 大好きなハチミツに囲まれて幸せそうなプーさんと、それを誰も否定したり妬んだり小言を言ったりしなくて誰も悲しくならない、そんな世界に深く感動した。幸せすぎて「これやっぱり夢だったってオチが待っているのでは?」と疑心暗鬼になってしまった。まあそもそも夢の国なんですけど。
 それとともに、自分はなんて複雑な世界ばかり見てきたのだろうと自らを顧みた。心当たりはある。仮面ライダー鎧武、魔法少女まどか☆マギカ、プリパラ、少女☆歌劇レヴュースタァライト、etc……。


 僕は、バットエンドだったり、「死」を扱っていたり、残酷な世界だったり、人の恨み合いだったり、幸せにならない恋愛だったり、というダークなコンテンツを好んでいる。また子供向けの物語だとしても、どこかに矛盾があるとツッコミを入れてしまってうまく楽しめなくなる。そのため、プーさんのハニーハントのように、高純度の「幸」をぶつけられるとあまりの純粋さに涙腺が耐えきれなくなるらしい。

 たまにはこんな幸せなお話で涙を流すのもいいかもしれない。


 皆さんもぜひプーさんのハニーハントに乗って涙を流してみてくださいね!!

https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/attraction/detail/174/


おわり。

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