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現役MPランカーが教える、MPを爆速で盛るための『アグロヴァンプ入門』【ROG期】

こんにちは、シャドウバースのアマチュアチームTROで活動しております、水(@mizu_shadoba)です。


今月はランクマッチを潜っておりまして、9/14時点でローテーションのランキングで10位まで登ることができました。

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そして、最近使用しているデッキはアグロヴァンパイアというデッキタイプなのですが、このデッキがMPを盛ることに大きく貢献してくれまして、実際に何度も大型連勝が出来ています。


アグロヴァンプの良い点は、何よりも1試合が短いことです。勝つも負けるも早いことが多いデッキなので、MPを盛る効率がとても良いのが他のデッキとの違いです。MPを盛りたい方には非常にオススメしたいデッキタイプであります。


そこで今回は、MPランキングを走る私がメインデッキとして使用しているアグロヴァンプについて解説。MPを上げる過程で取ったメモを元に、勝率を上げるために必要な要素を可能な限りまとめました。

環境はすぐに変わってしまいますが、採用カードにスタン落ちするカードは無いので、次の環境でも同じように活躍が見込めるデッキタイプです。


・アグロヴァンプで勝てない
・そもそもどう回したらいいかわからない
・マリガンが気になる
・アグロヴァンプへの理解を深めたい
・アグロヴァンプへの勝ち方が知りたい

という方へ、少しでも参考になれば嬉しく思います。

それでは参りましょう。


※当記事はあくまでランクマッチ環境を想定して書いています。レーティングやRAGEなどの競技環境に向けては書いていない点をご容赦下さい。
※section②から有料となります。


section①
デッキ選択の経緯

現在のランクマッチ環境において、もっとも多いデッキタイプは機械ウィッチ、次に多いデッキタイプが復讐ヴァンパイア、機械ヴァンパイア、AFネメシス、次に多いのがスペルウィッチ、リオードロイヤル、その他となっている(参考:GameWithのメタレポート)。そして、上位にいる機械ウィッチ、機械ヴァンパイア、AFネメシス、スペルウィッチには共通して、『序盤の防御が薄い』という弱点がある。

この防御の薄さを咎められるデッキはいくつかあるが、それらは概ねエイラビショップに存在を否定されていた。ところが、最近のランクマッチ環境ではエイラビショップが減少傾向にあるので、先述した『序盤の防御が薄いデッキを咎められるデッキ(アグロ系統)』が勝率を出しやすくなった。このことから、1試合ごとの時間が短くMP効率の良いアグロ系統のデッキを握ろうと決めた。(特にランクマッチは競技環境と違って、基本的なデッキパワーの低いネクロやドラゴンなどとも一定確率で当たるので、アグロが通りやすい)

そして、アグロ系統のデッキにはいくつか種類があるが、ランクマッチでMPを盛ることを目的にした時に1試合あたりにかかる時間(回転率)は短ければ短い程良いので、もっともフィニッシュターンの早いデッキタイプである『アグロヴァンパイア』を握ることにした。

特に、エイラ以外のほとんどの対面に対して、先攻を取れた時点で理不尽な展開を押し付けることで最速5〜6t目にゲームを終わらせることが可能な点に魅力を感じた。

実際に回してみると、しっかり連勝もできていて、機械ウィッチやエイラなどの環境デッキを使った時と勝率はさほど変わらないと感じた。正確に言うと、環境デッキの方が勝率は高い気がするが、時間あたりに盛れるMPでいうと明らかにアグロヴァンプの方が上なので、結果的にこのデッキで良かったと思っている。(例えばエイラで10分かけた末に負けると、時間効率も悪いし、精神的にも辛い)

section②
デッキの全体像

今現在使用しているリストがこちら


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◆ゲームプラン

基本的には、序盤から継続してフォロワーを展開することで早期に相手のライフを削り、6〜7t目にバフの掛かった疾走カード+バーンカードで相手のライフを削りきるのがメインプラン

デッキの内容が『相手のライフを最速で削りきること』に特化しているので、出来る限り相手の盤面は無視し、全てのリソースをなるべく効率よく打点に変換することが望ましい。相手がやりたい事をする前にゲームを終わらせる意識が重要。(ほとんどのデッキに対してロングゲームで不利)

ともかく、リソースではなくライフレースで勝つデッキ、という認識を持っていて大きな間違いはないと思う。


◆デッキ構成

※確率の話になるので、確率が嫌いな方は飛ばしてもらって構わないです。

前述した通り、リソースゲームを放棄しライフレースに特化することが前提なので、まずは1コストのフォロワーを一定数採用するところからスタート。このデッキでは以下の6枚を1コストのスロットとしている。

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参考までに、1コストを6枚採用した場合、2コスと3コスを初手キープ(1枚マリガン)した時に1コスを1ターン目に出せる確率は、先攻約57%、後攻約64%になるまた、1コストを全力マリガンした場合は先攻で71%、後攻で76%の確率で1t目に引ける。

とはいえ、後攻時は相手が2t目から動いてこちらが1t目から動くと、相手の2t目のフォロワーは大概こちらの1t目のフォロワーを上から取ってくるので、こちらの2t目のフォロワーが顔を殴れるようになる(あるいは1t目のフォロワーが顔を殴れる)。こうなると実質的に攻めと受けが逆転する形になるので、後攻時に1t目から動くことはアグロデッキにとって非常に重要。なので本当はもっと枚数を増やしてもいいスロットではある。(1コス7枚採用にすると、2コスと3コスの2枚をキープした時に1t目に1コスを引く確率は、先攻63%、後攻71%)

(追記:後述するが、このデッキの後手はマリガンで2コスを返して良い。なので、3コス(主に悪夢)を1枚だけマリガンキープしたとすると、1コス6積みの場合、後手1t目に1コスを引く確率は71%ある


次に、先攻2t目のカードとして以下の13枚を採用。

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この枚数だと、1コスと3コスをマリガンでキープしても、2t目に2コストを1枚引ける確率は先手で約92%になる。(コメットパンチとほぼ同じ確率!)

ちなみに2コストの枚数を11枚まで落とすと、同じ条件で2t目に引く可能性は約87%となり、13積みと比べて約5%程の差が生まれる。また、12枚まで落とした場合は約90%となる。こう考えると、最低12枚は2コストを採用したいと僕は思う。またそれと同時に、13枚と12枚の差はほぼ誤差の範囲なので、ここは好みによって2コストを12枚まで落としても良いとも思う(1コストを増やしたり、打点のカードを増やしたり、重いカードを増やしたり)。特に、先述の通り、後手で1t目から動く重要度が高いデッキなので、後攻1t目に動く可能性が64%では不安だという人は、2コストを減らして1コストを増やすのがいいと思う。


そして、先ほどの13枚に魅惑の一撃を3枚を加えて、後攻2t目のカードのスロットは合計16枚としている。

この枚数であれば、仮に、後攻の初手に2コストが3枚来て、それを全部マリガンで返したとしても、およそ9割の確率で2t目に2コストが1枚引ける。(計算が複雑だったので、近い数値を借りました。)

要するに、魅惑の一撃は後手単キープするとして、2コストのカードは全てマリガンで返してしまっても、ほとんどの確率で2t目には何かしらの2コストがプレイ出来るという事になる。もっと砕いて言うと、どれだけ適当なマリガンをしても、後攻2t目は動けるということである

なのでこの構築では、後手ならば1コストや悪夢の始まり、その他対面で欲しいカード(後述)をマリガンで全力で探しに行くことが可能になっている。

またそれと同時に、2コスト以外の好きなカードをキープしても2t目は動ける、という事でもある。例えば、初手が『ラウラ+悪夢の始まり+何か』だった場合、ラウラと悪夢の始まりの両方をキープしても高確率で2t目に動ける。特にラウラはほとんどの対面で重要なので、このことは覚えておくと良いと思う。


そして、ここまでで序盤の基盤が出来上がったところで、残りは打点を出せるカード、単純なパワーカードなどを採用し、以下の40枚となった。

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一般的なアグロヴァンプのリストと比べて、後手の盤面争いで強い構築にしている。詳しい個別の理由は次で解説していきます。

section③
各カードの採用理由


ゴブリン×3

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◆採用理由

1t目から盤面にフォロワーを置くためのカードとして採用。1コスフォロワーという点で同じ役割が持てるフォロワーに、『姦淫の信者』、『堅牢なる天使』が存在するが、ゴブリンはそれらと比較して
・体力が1高い
 →機械ウィッチのフロートボード、ジェットウィッチに取られない
 →マシンエンジェルと相打ち出来る
という特徴がある。

後手に回った場合は盤面の勝負になることが多く、1/1よりも多い枚数をトレード出来るのは非常に重要。1t目に出してもっとも裏目の少ない1コストなので文句無しの3枚採用。


堅牢なる天使×3

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