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【MP7位】VEC環境における自然ビショップの構築、対面ごとのプレイングについて解説

※10/6 『参考デッキレシピ一覧』を更新しました。


こんにちは、水(@mizu_shadoba)です。私の詳細についてはTwitterを見ていただけると幸いです。

この記事では、私自身の経験や調整メンバーの意見を元に、VEC環境における

・各デッキの立ち位置
・統計を元にした推薦持ち込み
・自然ビショップの採用候補についての評価
・対面ごとのプレイング

を書いています。(途中から有料となります)

自然ビショップの練度の高い方にとっては当たり前の内容が多いかと思いますが、

・自然ビショップの練度に自信が無い
・自然ビショップは握らないけど動きは理解しておきたい

という方へ少しでも参考になれば嬉しいです。

それでは参りましょう。

※RAGE開始に間に合わせるために急いで書いた部分があるので、多少乱雑な記述があることをご了承ください。後に加筆修正する予定です。


section①
予想される環境について

※ここでは現環境の各デッキの立ち位置、そしてBO3形式で推奨する組み合わせについて書いています。ですので自然ビショップの解説が読みたい方は飛ばしていただいて構いません。


結論から言えば、現環境のTier(ここでは単純なデッキパワーと各デッキに対する相性差を元にした環境における立ち位置を指す)は以下の通りになると思います。

Tier GOD・・・自然ビショップ
Tier 1・・・リノエルフ、エイラビショップ 
Tier 2・・・自然ネクロ、自然エルフ、自然ロイヤル、自然ドラゴン

ちなみにこれはShisogeniusさんの取った統計を元にしました(ただしこれは9月30日時点の統計なので、プレイヤーの練度が向上した現在では勝率が変動している可能性が考えられます)。

統計上数値の高いクラスに機械ウィッチとAFネメシスがあります。これに関しては、以前の環境での強さや統計の結果からしてTier2に位置付けることも考えましたが、統計をよく見ると機械ウィッチは環境トップである自然ビショップに対して勝率が35%、アーティファクトネメシスはリノエルフに対して40%と、『環境で強いデッキに弱いデッキ』という立ち位置にいる事が分かります。ですのでここではTierランキングから除外しました。

要するにここで言いたいのは、現環境で構築を考える上では

自然ビショップ>リノエルフ=エイラビショップ>自然ネクロ=自然エルフ=自然ロイヤル=自然ドラゴン

の優先順位で対面することを意識したいという事です。


次にデッキ間の相性を見てみると、トップの自然ビショップに対して有利がついているのはエイラビショップ”のみ”となっています。これは逆を言えば、自然ビショップは統計上エイラビショップ以外の全てのアーキタイプに対して有利が付いているということです。これが自然ビショップがTierGODたる所以です。

そして、この事に気づいているプレイヤーも多く、実際に直近のJCGの結果を見てみてみると上位にいるほとんどのプレイヤーが自然ビショップを使用しています。

また、他の上位デッキ同士の相性は以下のようになっています。

※微有利も超有利もまとめて有利としています。不利も同様です。

・リノエルフ
有利対面→自然ネクロ、自然ドラゴン
不利対面→自然ビショップ、エイラビショップ、自然ロイヤル、自然エルフ

エイラビショップ 
有利対面→自然ビショップ、リノエルフ、自然ネクロ、自然ロイヤル
不利対面→自然エルフ、自然ドラゴン

自然ネクロ
有利対面→自然ドラゴン、自然エルフ
不利対面→自然ビショップ、リノエルフ、自然ロイヤル、エイラビショップ

自然エルフ
有利対面→リノエルフ、自然ドラゴン、自然ロイヤル、エイラビショップ
不利対面→自然ビショップ、自然ネクロ

自然ロイヤル
有利対面→リノエルフ、自然ネクロ
不利対面→エイラビショップ、自然エルフ、自然ビショップ、自然ドラゴン

自然ドラゴン
有利対面→自然ロイヤル、エイラビショップ
不利対面→リノエルフ、自然ビショップ、自然ネクロ、自然エルフ

※1 個人的な体感としては、ここ数日で自然ネクロに対する世間的な認識が変わっていることを感じます。具体的にはアグロ〜ミッドレンジデッキという認識よりもコントロールデッキという認識の方が強くなってきたように感じます。これを踏まえると多少相性差が変わるマッチがあると思います。
※2 また自然エルフに関しても人によって構築が全く違う印象があるので、一概にこの相性をそのまま適用できないように感じます

こう見てみると、有利対面:不利対面の比率が一番高い『自然エルフ』と『エイラビショップ』の立ち位置がいいことが分かります。


そして、BO3形式では『持ち込んだ2つのデッキをどちらも1勝ずつさせなければいけない』というルールがあります。つまり、明らかに不利な対面が2つあるデッキはBO3に持ち込みにくいという性質があるわけです。

そこで、この事を先ほどの相性表と照らし合わせて考えてみると、以下のようになる事が分かります。

要するに、BO3単位で最も多く無理対面を作れるのが『リノエルフ+自然ビショップ』という事です(JCGの優勝にこの組み合わせが多いのも納得)。またそれと同時に、この組み合わせと対面する可能性が非常に高い=リノエルフと自然ビショに寄せた構築を目指すのが望ましいのではないか、という事も言えそうです。

また、無理対面の有無で考えると、
『自然ビショップ』『自然エルフ』『エイラビショップ』
この3つは無理対面が無いデッキなので、この3つの中から2つを持ち込むというのも非常に理にかなった選択です。例えば
『エイラビショップ+自然エルフ』という組み合わせは、”リノエルフ2タテ構成”でもあり、”自然ロイヤル2タテ構成”にもなっているという事になります。


section②
採用候補の評価

ここでは自然ビショップに採用されることの多いカードについて、僕個人の認識や評価を書いていきます。『どのカードを採用すれば良いのか?』、また『採用するとして何枚積むべきなのか?』で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

主な採用候補の一覧

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(採用があまり分かれないカードや、特に語ることの無いカード、採用率の低いテックカードについては説明を省いています。ただし今後追記する可能性はあります。)


《楽園の聖獣》0〜1枚

基本的にはエンハンスでプレイすることを前提に採用されるカード。《デスティニーウィングナイト》を2枚以上採用した構築にピン挿しすると確定で《デスティニーウィングナイト》が2体出てくる。この場合、アミュレットが場に2枚あることを前提にすると、実質スタッツは4/7/8(1/2+3/3+3/3)という破格の数値になる。先4に出たこのスタッツを後手4で綺麗に返しきるカードは現環境だと《クルト》進化+盤面のフォロワーをぶつけるくらいしか存在しないので、先4にこのカードをエンハンスでプレイするだけで簡単にボード優位を取れる。

ただし、実際に先4にアミュレットが2枚ある現実的なパターンは

・2t《黄金都市》→3t《黄金の鐘》
・2t《黄金都市》→3t《エンジェルラット》+《ナテラの大樹》
・2t《黄金都市》→3t《荒野の休息》+《ナテラの大樹》
・2t 《エンジェルラット》→3t《ナテラの大樹》+《ムニャール登場》
・2t《エンジェルラット》→3t《ナテラの大樹》+《黄金都市》
・2t《黄金都市》→3t《ジャスティスマナ》+《ナテラの大樹》

あたりに限られる(他のパターンもあると思います)。つまりテンポとして十分な動きを作るには《エンジェルラット》が絡む必要がある。

ただ、とは言っても2t目に《黄金都市》を直接召喚し(実質パス)、3t目にナテラ回収スペルをプレイという『実質2パス3パス』の動きをしたとしても、先4に《楽園の聖獣》をプレイ出来れば実質的に『2t目に《黄金都市》を直接召喚して3t目と4t目に《デスティニーウィングナイト》を1体ずつ出した』くらいの盤面が作れる。これは自然ビショップの中でも優秀な動きであり、この動きを手札1枚で作れるのがこのカードの利点。要するに2t目と3t目の動きが弱いパターンを許容できるカードになっている。


後手4にプレイし進化した場合は、実質スタッツが進化後4/10/8(4/4,3/2,3/2)になる。この場合は場にアミュレットが2枚無くても《デスティニーウィングナイト》が自身の効果で破壊されない。またアミュレットが2枚あれば後手4に4/4,4/3,4/3の盤面が作れる。この盤面が作れれば大抵1体は残って帰ってくるので、ライフレース、盤面勝負ともに優勢になる(いわゆる後手捲り)。

ただし、このカードの弱い点として
・盤面干渉能力を持たない
・先攻の場合4t目に置けないと手札に残りがち
・後半に引くと弱い(ただし6t目なら間に合う)
・盤面が3面埋まっているとコスパが悪い
などがある。特に《スフィンクス》結晶や《ムニャール登場》が絡んでいる試合では盤面が3面開きにくいのでこのカードのバリューを活かしにくくなる。

『序盤に引けば強いが中盤以降に引くと微妙』という点では《スフィンクス》と近い性質を持っている。(ただしスフィンクスの方が後半のバリューが高い)

要するに偏差カードなので、安定感をどれくらい重視するかで採用が分かれるカードだと思う。

個人的には、自然ビショップミラーにおいてアミュレットが2枚ある状態の後手4の《楽園の聖獣》を返すまともな手段は《クルト》進化+《黄金の鐘》に限られていて、仮にそれで返されたとしても《エクセスプリースト》で簡単に返せること、また後手4を《楽園の聖獣》で動くことで《クルト》を5~6t目まで温存出来る点を評価しているので、『なるべく序盤の動きで差を付けたい』ということで後手捲りの手段として1枚採用しています。(ミラー後手は上振れないと勝てないという認識)


《デスティニーウィングナイト》3枚推奨

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