古語訳『春よ来い』

s-『春よ来い』(相馬御風)


 春来《きた》れ 早う寄れ
 歩《あゆ》み始めし 美衣《みい》姫が
 赤き鼻緒《はなを》の 足駄《あいだ》履き
 世界に出《い》でばやと 待ち居《を》れぬ

 春来《きた》れ 早う寄れ
 御館《みたち》の前の 桃の木の
 蕾《つぼみ》も悉《ことごと》 綻《ほころ》びて
 疾《と》く疾《と》く笑《え》まむと 待ち居《を》れぬ


【 原文(作詞:相馬御風) 】
 春よ来い 早く来い
 あるきはじめた みいちゃんが
 赤い鼻緒(はなお)の じょじょはいて
 おんもへ出たいと 待っている

 春よ来い 早く来い
 おうちの前の 桃の木の
 蕾《つぼみ》もみんな ふくらんで
 はよ咲きたいと 待っている


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