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やさしく包んでくれた

もうかなり前のことです。
祖父母も他界し、
まだまだ ある意味、地獄の中で生きていた頃。

何があっても 負けたくありませんでした。

『負けたくない』というのは
どんな理不尽なことが 
目の前に現われて、
わたしの行き先を邪魔されようとも
信頼していたものに
どんな裏切られ方をされようとも

そんなものに
心まで持っていかれたくはないと思っていたので その部分での『負けたくない』
です。

流されない。
その度に 優しく、強く、更に純粋に、素直に、そっちの方向に進んでやる、と思ってました。

『罪を憎んで人を憎まず』
これです。

大したことじゃない。
何もかも。
すべて そういう結末にしてしまおう。

 そんな中、
お墓参りに行きました。
もともと 不思議な経験は多いので この時も 何か感じた時 怖さは無かったです。

ひとりでお参りです。
そうすると
山の方にあるお墓なのですが、
奥の方から 
耳に聞こえてるのではなく
これもやはり脳内…というか 音とか声ではなく、
なんていうのか、
『感じる』というのか。

女性の数人のたのしそうな笑い声のようなものを感じました。

そちらの方を見たけど 誰もいません。

でも しっかり感じます。

その声は 少しずつ、近づいてきます。

ずっと声高らかに たのしそうです。

ああ、『目にはみえないもの』だ、
と察しました。
気にはなるけど 
特に気にしないようにして、
悪い気は感じなかったので
そのまま 手を合わせていました。

すると、あっという間に
それらは わたしの周りを囲んでいて
そばに来た時には
高らかな笑い声は
優しい優しい、温かい、すべてを受け入れてくれるような空気になっていて、
わたしを包み込んでくれました。

それを感じた時に
あまりの優しい温もりに 涙してしまいました。

「ありがとうございます」
と 何度もお礼を言いました。

両手で顔を隠して泣いてしまいました。


やさしい

暫く わたしを 温もりで 囲んだ後
ふとその優しい空気は消えました。


その後も 何度か お墓参り行ったのですが
その高らかな笑い声たちには 会えていません。
行く度に 奥の方を見てしまいますが。

「あの時はありがとうございました」
と いつも 声に出してお礼言って帰ります。


こうして
みえないものや
自然たちとの『出会うタイミング』で
不意の 『答え合わせ』をしてもらいつつ、わたしは 自分を見失わず やっていけています。

死ぬまで ずっと学びたいことはたくさん。
自分のプロにはなったけど
まだまだ ほんの一部でしかありません。


ただ、ふと
そういったみえないものにも
心から 感謝をします。




ヘッダー画像は 以前、
神社で撮った写真を 加工してみました。


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