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くだらなくてたいせつなこと

 夢で大切なことを教えてもらいました。

わたしが見る夢には 何種類かのパターンがあります。

どこか何かしら 魂の奥の奥に繋がって
見せられているような感覚の夢だったり、

夢の中の会話が 直接、現実へのヒントになったり、また 先に夢の中で答えを出されていて あとあと 気づくこともあったりします。


 ただただ 色が美しい景色の夢もあります。絵画や映画のワンシーンを観ているようです。
(絵が描けたら あの景色も残したい)

また時には、他愛ない予知夢だったり。



今から書くこの夢には 物語があったのですが、
箇条書きで 夢日記を 当時 書いてたものの 寝ぼけて書いていて 残念ながら 読めない文字があります。解読不可能な文字です。(それはそれで おもしろいんですが…)

なんとなく単語を辿っていると
夢も現実と変わらず、実際 経験しているような感覚なので 昔の思い出を鮮明に思い返すような感じで 思い出すこともあります。



最初の方は 思い出せませんでしたが、大切なことを教えてもらった夢なので書き記します。


11歳くらいの少女と黒猫がいました。


あまり裕福な家でもなく、自由にもさせてもらえず 不満はたくさんありました。

だけど、
少女は 大切な親友の黒猫を 家に置いてもらっていたので そのためなら いくらでも なんでも我慢ができました。


だけど、少女は 見てしまいます。


ある日、家の主、父親なのかよくわかりませんが、初老の男性が 少女のいないところで 黒猫を殴っていたのです。

日常の鬱憤を晴らすように 黒猫に殴る蹴るの暴行。
黒猫は 怯えきっていて 逃げることすらできません。

少女は、
それを見て、
生まれて初めての強い感情が 腹の底から 湧き上がってくるのを知りました。

男性を後ろから 突き飛ばし、
黒猫を抱き抱えて 家を飛び出したのでした。


まだ 少女は 小さな子供で、
どこにも行く宛などなく、
暫くは 森の中で 黒猫を抱きしめて うずくまっていました。



黒猫が 少女の頬を舐めます。


「うん、大丈夫。もういい。ふたりで 遠くへいこう。」

そう言って 黒猫に微笑んで
その町を 出る覚悟をしました。


いじめられたり、
 愛を知らずに 1日1日の終わりを待つだけの日々を繰り返していると、
気がつくと、
深い深い、底知れぬ深い『孤独』が いつの間にか 隣りにいます。


そこを認識してしまうと、
その孤独の深海の底に繋がってる黒い点が ぽつぽつ 心の中に現れて 広がって その根っこが 化け物のように広がっていくんです。


黒い根っこは 手が生えたかのように
足元を 掴んで 引きずり落とそうとします。

どんなに 振り払っても 逃げられないのです。


少女の中には もう既に その黒い根っこが棲みついていました。

少女自身も その黒い根っこが怖かったのです。


どんどん侵食されていく…。


唯一、黒猫の存在があるから
少女は まともにいられました。

引きずり込まれて闇の世界に行かずにすんでいます。


黒猫が殴られている姿を見つけたとき
初めて 自分の中に怖い感情があることに気づきました。

「あんな感情が わたしの中にあるなんて…」




少女は 途方のない時間を旅します。
その中で
敵がいろんな形に変わって 目の前に現れます。

優しい顔した大人だったり、
親しそうに仲良くしていた友人だったり、

親切な人も
明るい笑顔の人も
綺麗な洋服を着た人も
優しい言葉を持つ人も

どんな職業の人も、
変わりなく、みんな同じで

みんな… 悪い顔を持っていました。


少女は それを知る度に
ぐぐぐっと 強い力で 黒い根っこに 引きずり込まれそうになります。


いっそ、暗闇に落ちた方が 楽かな、と思います。
この世の人々は 悲しい罪多きひとびとでした。
そんな中で まともでいられるように生きるより 落ちた方が きっと楽。


でも…。

黒猫のために 落ちる訳にはいかないのです。



逃げているのじゃなくて
ただ 黒い根っこの手に掴まれたもうひとりの自分を出してしまっては もう後に戻れなくなることを知っているので これ以上 人間に出会わないようにしました。


少女にとっては
人間が暗闇でした。


落ちる引き金になってしまう。


ひとりなら、
黒猫とふたりだけなら、
少女は いつも通り 優しくいられるのです。


ひとの違う顔を見る度、
悲しく苦しい闇へ突き落とされる。


旅を続けるうちに
少女は 人間のその多面な部分は 『悪』というものではないということも知ります。


あれは、悪では無い。
ただ みんな誰もが 弱い。
それだけ。

弱いことは間違いでは無い。
だけど また更に 誰かを傷つける。
それは 悪いことです。

きっと 知らないうちに
傷つけている。
これは仕方の無いこともあります。

言葉で、
表情で、
声色で、


見なければいい。
口をきかなければいい。



いや…
それもまた違う…





少女はある時 何者かに出会ったのです。
その何者かが 夢の中でも曖昧で 
どういうものなのかわからないのですが、

その何者かが言ったのです。


『これをあげる。君が要らない世界を消せる。好きに使えばいい。』


「消せる…?」





それは ネズミ花火のようで、輪っかになっていました。
その何者かが言う通りに
 消したい景色をその輪っかの中に 入れて見ます。
 輪っかに入れた景色は 望遠鏡で見た景色のように映りこみます。

そこに ふっと 息を吹きかける。


それだけで、

その一瞬で 輪っかに映っていた景色が 何にもなかったかのように消え去ります。

 爆発音も何も無く、
ただ すん、っと 景色がはじめからなかったように消えるのです。


「え!?」

何者かは 『好きにお使い』と
消えました。


3つ貰いました。




少女は 父親のようだったあの初老の男性を思い出します。

「あの人、言ってたんだ。子供が欲しかったんだって。愛する家族が欲しかったんだって。そう言ってたんだ…」


悪い人じゃないことも
わかっています。


少女は 自分が好きなように気に入らない景色を消失させるネズミ花火のような輪っかを まじまじと見つめました。





そして、少女は
決心をしたのです。



「この輪っかは使わない」



わたしは神様じゃない。

 例え、消失させたとしても
自分の中からは 一生消えない。
永遠に残る。

だけど この輪っかは 持っておく。



 黒い暗い闇の根っこの手に どうしようもなく引きずり込まれそうになった時 この輪っかを 自分に向けて使う。


そうならないように
黒猫のために 少女は 生き抜くことを誓うのでした。

もう一度 人のもとへ
新しく始めようとしていたところで 目が覚めたのでした。




この夢で見た、この輪っか、
起きた時 不思議な感覚で 手には無いのですが 掌を何度も 確認しました。


その輪っかのことを 今でも ときどき思い出します。

以前に 友達と
話していて この夢の話をしたことがあったんですが

興味深げに聞いてくれたので

「わたし その輪っか 今は脳内に持ってるけどね、ぜったい使わない。使ったら きっと自分嫌いになるし、使うのダサい。もっと強くありたいなぁ」

と話したことがありました。



夢ではあるけど
 強くあることの大切さを 教えてくれました。

自分が どうなりたいか、と考え始めるきっかけにもなったのかなぁ、と思います。


取り留めのない話になりましたが、
わたしの大切な夢の話です。

どういうものになりたいか、を 教えてくれるきっかけになった話です。




わたしは 何者にもなりたくなく、
自然体でいて、
だめだめで、
だけど がんばったり、
また失敗したり、
何かを考えたり ずっと想像して 創造して、

どんな傷を背負っても

屈託なく にぱーっと笑う人でいたいです。



たくさん 時間の無駄遣いをして
気になることを 追って 一生を全うしたいです。


それで 願わくば
そうしている端から端まで
出会う一期一会のすべてのもの(人も景色もすべてのもの)と
いっしゅんのすれ違いでも 讃え会いながら生きて、


のんびり 自分の言葉を綴りたい。













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