溝延 祐樹@働く人たち応援弁護士

雇用管理に役立つ法律知識や労働判例を週1ペースで配信しています。事務所名:国分隼人法律事務所(HP:https://kokubuhayato-law.com/)。九州労働弁護団幹事。労使が幸せになる働きやすい職場の実現を応援しています。

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    マガジン

    • 人と組織を考える

      • 292本

      人々が同じ目的を追求するとき、力を合わせて働くために、どのような形のグループとして結集すれば、一人ひとりが生き生きと活躍し、グループとして大きな成果が出せるか? これを考えることが人と組織を考えることで、それは経営だけでなく社会運営全般にかかわる重要課題です。この課題に関する投稿を集めたマガジンです。

    • 働く人たちを応援する法律コラム

      弁護士@働く人たちを応援する弁護士が作成した労働問題に関する法律コラムを掲載しています。週1ペース更新。職場で悩んでいる方、人事労務に携わる方、企業経営をしている方、労働法に興味がある方を対象に有益な情報を提供しています。

    • 働く人たち応援チャンネルまとめ

      YouTubeチャンネル「働く人たち応援チャンネル」のまとめです。

    最近の記事

    高年齢者雇用に潜む法務リスク【譴責処分を理由とする定年後雇用契約の解除が否認された事例・ヤマサン食品工業事件・富山地裁令和4年7月20日判決・労働判例1273号5頁】

    我が国の特徴的な労働慣行として、「定年制」があります。 この「定年制」は、一定の年齢になれば自動的に労働契約が終了するというものであり、長期雇用と人材の新陳代謝を両立させられるという点にメリットがあるとされています。 今日では高齢者雇用安定法8条により定年制を採用する場合の定年の下限は60歳となっています。 また、企業においては、労働者が定年を迎えても直ちに労働契約を完全に終了させるのではなく、定年そのものの廃止や継続雇用制度の実施などにより高年齢者の雇用を維持することが求

      • 「即戦力」=「解雇自由」ではない【即戦力として採用された中途営業職員の成績不良を理由とした解雇が否認された事例・デンタルシステムズ事件・大阪地判令和4年1月28日判決】

        「能力不足」は、解雇理由のなかでも最も典型的なものの1つです。 特に、高い営業能力を期待され即戦力として中途採用された場合で、しかも期待された成績を挙げられなかったために解雇されたというパターンですと、使用者側としては「期待した成績が挙がらない以上、当然に解雇はできるはずだ」と考える傾向が強いため、紛争が激化しやすくなります。 最近では、デンタルシステムズ事件(大阪地判令和4年1月28日判決)において、まさにそのような解雇の有効性が問題となりました。 そこで、今回は同事

        • 「とりあえず戻ってこい」は通らないー会社の意向に基づき出勤拒否した労働者に対する解雇の無効とバックペイの支払いが認められた事例ー【ダイワクリエイト事件・東京地判令和4年3月23日判決】

          いわゆる「不当解雇」事件では、労働者側から使用者側に対して解雇無効を前提とする労働者としての地位確認とそれまでの未払賃金(バックペイ)を請求するのがセオリーです。 ところで、このバックペイの請求が認められる法的根拠は民法536条2項にあります。 すなわち、同条は「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。」と定めています。 ここで、不当解雇事案では、「債権者」とは使用者側を、「債務」とは労働者

          • 安直な求人がトラブルを招く【求人情報と内定通知書の記載の齟齬が問題となった事例・プロバンク事件・東京地裁令和4年5月2日決定】

            労働契約は、①求人情報への掲載→②求職者による応募→③採用面接→④内定という過程を通じて成立していきます。 この場合、通常であれば①で示される労働条件と④の労働条件は同じものになります。 ところが、実際には①と④の労働条件が異なっている(④の内定段階で示される労働条件が①の求人段階のものより不利になっている)ということが散見されます。 この場合、求職者側は①の求人情報で掲載した労働条件での労働契約の成立や賃金を企業側に請求できるのか? 今回はそのような点が問題となった事

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            楠瀬 啓介 KUSUNOSE Keisuke 他
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            溝延 祐樹@働く人たち応援弁護士

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            「雇止め」のコストと意義ー雇用通算期間8年間の有期契約労働者に対する雇止めが認められた事例ー【国立大学法人東北大学(雇止め)事件・仙台地裁令和4年6月27日判決・労働判例1270号14頁】

            予め雇用期間が定められている労働契約を有期労働契約といいます。 有期労働契約では、雇用期間が満了した時点で労働契約が終了するのが原則ですが、実際には期間満了後も引き続き同じ仕事を任させるということも珍しくありません。 そのような状況がある程度続くと、労働者側としてはその企業に長期間就労して収入が得られるという期待を抱くことになります。 それにもかかわらず、有期労働契約だからといって簡単に契約更新を拒絶できることにすると、労働者の生活設計が崩れてしまいます。 そのため、労働契約

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            【YouTube】解雇後の生活はどうする? 収入確保のために知っておきたい知識3つ

            会社からの不当解雇を争う際の心配事として「決着がつくまでの収入をどう確保するか」というものがあります。 本動画では、不当解雇後の収入の確保について ・雇用保険を利用すること ・解雇を争いながら再就職すること の可否や注意点をお伝えします。 【目次】 0:00 オープニング 1:09 解雇を争っていても雇用保険は受給できる 3:12 雇用保険を受給する際の注意点 4:18 他社に再就職してもデメリットはない 6:47 エンディング

            みなし労働時間制が認められた激レア事例ーMRと営業職の違いとはー【セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件・東京地裁令和4年3月30日判決・労経速2490号3頁】ー

            労働基準法32条は労働者の健康確保の観点から1日8時間・週40時間労働の原則を定め、かつ、使用者に対して労働時間適正把握義務を課しています(労働安全衛生法66条の8の3及び同法施行規則52条の7の3参照)。 もっとも、例えば生命保険の外交員など、業職種によっては使用者側で労働者の行動を把握することが難しい場合もあります。 そういう場合、労働基準法38条の2は、労働時間の「みなし」のひとつとして「事業場外みなし労働時間制」を認めています。 そして、同条によれば、「労働者が

            「厚生」と「労働」の深刻な矛盾ー訪問看護事業所等における緊急看護対応の待機時間に対する残業代を認めた事例【アルデバラン事件・横浜地裁令和3年2月18日判決】ー

            以前、次のような記事で本来業務外の待機時間における労働時間性が問題となった事例を紹介しました。 以前のシステムメンテナンス事件では、結論として待機時間の労働時間性が否認されました。 ただ、その際、私は との記載をしました。 そうしたところ、近時、訪問看護等に従事する看護師の待機時間が労働時間に当たるとして高額の残業代が認められたという裁判例が判例誌に掲載されました。 今回は、そのような事例としてアルデバラン事件(横浜地裁令和3年2月18日判決)を取り上げたいと思います

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            まずはこれだけ!労働弁護士が伝えたい解雇の知識3つ

            実質初めての動画投稿です。 本動画では、「不当解雇と闘う」シリーズの第1回目として「これだけ知っていれば解雇トラブルで損だけはしない」という知識を3つに絞って説明しています。 突然の解雇で頭が真っ白になっても、まずはこの動画を思い出してじっくりと対策をとっていただければと思います。 今後、週1回のペースで動画を投稿していく予定です。 本編のコラムと併せてよろしくお願いいたします。

            今更ですが、このたびYouTubeにて動画投稿を開始しました。 動画では労働者側の目線でライトな情報を発信していきます。 よろしくお願いいたします。 【リンク先】 https://www.youtube.com/channel/UCZ0rkLkci19JgcCbzZmmQGA

            フリーランスに対するセクハラへの断罪と課題【アムールほか事件・東京地裁令和4年5月25日判決・労働判例1269号15頁】

            最近、一部の界隈で「日本の雇用制度は崩壊した」「だからフリーランスで自由な働き方を手に入れよう」といった言説があるそうです。 確かに、終身雇用がもはや過去の話になりつつある現在、入社から定年まで同じ会社ということは期待できないかもしれません。 しかしながら、労働契約という法律関係がある限り、使用者は労働者に対して安全配慮義務・職場環境配慮義務を負います(労働契約法5条)。 また、男女雇用機会均等法や育児介護休業法、労働施策総合推進法などの関連法令も、事業主に各種ハラスメン

            裁判官が違えば結論も変わる?ー業務上の必要がないことを理由に部長からの降格を無効とした事例【ビジネスパートナーほか事件・東京地裁令和4年3月22日判決・労働判例1269号47頁】ー

            前回の記事で、配転を断った総合職員に対して行われた使用者側からの地域総合職との賃金差額(半年分・12万円)の返還請求を認容した事例を紹介しました。 その後、直近の労働判例誌に、同じ当事者の同時期の訴訟でありながら今度は労働者側が勝訴した事案が掲載されていました。 今回は、そのような事例としてビジネスパートナーほか事件(東京地裁令和4年3月22日判決・労働判例1269号47頁)を取り上げます。 どんな事件だったか?本事件は、被告会社が、その子会社の営業部部長(兼取締役)で

            転勤を拒否したら給与返金?ー転勤命令を拒否した総合職社員に対し地域総合職との賃金差額の返還を命じた事例ー【ビジネスパートナー事件・東京地裁令和4年3月9日判決・労経速2489号31頁】

            働き方が多様化している昨今。 職務内容や転勤の範囲が限定される「限定正社員」との言葉も珍しいものではなくなってきました。 メンバーシップ型雇用のもとゼネラリストの育成に重視を置く日本では、全国転勤は出世のため前提条件だとされています。 そのため、正社員と限定正社員との間では 将来の人材登用・活用への期待度 転勤による経済的・精神的負担への手当 などの理由から賃金面でも待遇差が設けられています。 それでは、総合職社員が転勤を拒絶した場合、会社は就業規則を根拠に過去に

            「自社にパワハラはない」との訴訟は可能か?ー使用者によるパワハラ不存在確認訴訟を否定した事例ー【ユーコーコミュニティー従業員事件・横浜地裁相模原支部令和4年2月10日判決・労働判例1268号68頁】

            勤務先でパワハラの被害を受けた労働者は、 使用者に対して慰謝料などの損害賠償を求める民事訴訟 を提起することができます。 それでは、会社側から 「自社にパワハラなどない」 として自らの法的責任を否定するための訴訟を提起することはできるでしょうか? 今回は、そのような普段とは異なる論点が問題となったケースとして ユーコーコミュニティー従業員事件 (横浜地裁相模原支部令和4年2月10日判決・労働判例1268号68頁) を取り上げます。 どのような事案だったか?本件は、原告会

            保育士の長時間労働に向き合うには【社会福祉法人セヴァ福祉会事件・京都地裁令和4年5月11日判決】

            「潜在保育士」という言葉があります。 保育士資格はあるものの、保育士としては就労していない方のことを刺します。 せっかく保育士資格を取得したのに保育士として就労しない(できない)理由のひとつに長時間労働があります。 たくさんの園児の世話、体調の把握、園だよりの作成、行事の企画・準備・実施、役所対応、親対応etc…ちょっと想像するだけでも全く気が休まる暇がなさそうです。 そうであれば、せめて残業代くらいはきちんと支払ってほしいところですが、実際にはずさんな労務管理のせいでそれす

            この度、新しく無料メルマガを開始しました。 「手早く労働法を学びたい」 という方向けに ・労働法の基本ルールや思考プロセス ・陥りがちな誤解・失敗 などを毎週1テーマずつ解説していきます。 https://kokubuhayato-law.net/fm/3137/4POq5FfJ