見出し画像

Quincy Jones body heat (1974)

僕は70年代中盤のソウルそれもファンクやニューソウルの影響を受けた洗練されたメロウ&ファンキーサウンドをセッションミュージシャンやフュージョンミュージシャンがプレイしているものが好きです。名盤は裏表いろいろありますが個人的に最高峰だと思っているのがこのアルバムです。ベテランの腕利きミュージシャンを贅沢に起用し、ソングライターにレオンウェアやべナードアイグナー、ボーカルに彼らに加えミニーリパートン、アルジャロウといった腕のある新人を起用した音作りはこの後のクインシーの王道の製作方法です。

メンバー

ハービーハンコック、リチャードティー、ボブジェイムズ、ビリープレストン、マイクメルヴォイン:キーボード

デニスコフィ、アーサーアダムズ、フィルアップチャーチ、ワーワーワトソン、デヴィッドTウォーカー、エリックゲイル:ギター

チャックレイニー、メルヴィンダンラップ、マックスベネット:ベース

ジェイムズギャドソン、ポールハンフリー、バーナードパーディ、グレディテイト:ドラム

ヒューバートロウズ、チャックフェンドレイ、フランクロソリーノ、クリフォードソロモン、ピートクリストリーフ:ホーン

トムモーガン:ハーモニカ

ボビーホール:パーカッション

トミーバーラー、ミニーリパートン、レオンウェア、ジョーグリーン、ジェシーカークランド、ジムギルストラップ、キャロリンウィリス、マーナマシューズ、クインシージョーンズ:バッキングボーカル

ミニーリパートン、レオンウェア、ブルースフィッシャー、ジムギルストラップ、クインシージョーンズ、べナードアイグナー:リードボーカル

アルジャロウ:ボーカルエフェクト

ここまで多くのミュージシャンを起用できたのはクインシーだけでしょう。大物であるボブジェイムズやヒューバードロウズをサイドマンにできたのはクリードテイラーとクインシーの2人だけ、ハービーハンコックとビリープレストンに関してはクインシーただ1人だけでしょう。

Body heat
ウネウネ鳴るシンセが印象的な曲。アーシーな前半から後半になるにしたがってギターやドラムの音が大きくなり、ベースが入りだんだんとファンキーに盛り上がっていきます。レオンウェアがリードボーカルを歌ってます。

Soul saga (song of the buffalo solder)
幻想的な女性コーラスと疾走感と緊張感のある演奏、男性ボーカルが対照的な曲。銃声を真似たようなワカチョーン!というギターやハーモニカが印象的です。ジムギルストラップがリードボーカルです。バッファローソルジャーとはアメリカ1800年代の対ネイティブアメリカン戦の時につけられた黒人のみで編成された騎兵部隊の愛称です。

Everythimg must change
メロウナンバーながらもジャズやゴスペルの要素の濃いバラードナンバー。ズッシリとしたベース、ミュートトランペットが気怠るい夜の雰囲気がして好きです。ここではべナードアイグナーがリードボーカルを歌っています。

Boogie joe the grinder
ワウをかけたギターベースがファンキーな曲。ホーンアレンジがいかにもクインシーといったアレンジで好きです。

Everythimg must change
リプライズです。

One track mind
シンセベースが面白い曲。そこにアッパーなホーン、セクシャルなボーカルが組み合わさった不思議な曲です。(パーカッションはリズムボックスと生音の両方をミックスしている気がします)

Just a man
ジャジーなギターとエレピ、コーラスがオシャレだけどどこかアーシーな曲です。(前はクインシーの歌が下手と書きましたがヘロっとしているだけでそこまで下手ではないですね。)

Along came betty
ラテン風の清涼感あるインストジャズファンクです。ボーカルの代わりにヒューバードロウズのフルートがこのアルバムの中で一番長いソロをとっています。

If I ever lose this heaven
数あるレオンウェアの曲の中でも完成度、カバーの多さ共に上位にくるであろう曲。レオンらしいメロウだけど危うい雰囲気のサウンド(この曲の場合は歌詞も)は本当最高です。他のミュージシャンのバージョンよりテンポを落として前半を抑え気味にして後半を高揚感をあげた構成、ジャジーなホーンセクションがクインシーらしいです。
レオンウェアとミニーリパートンのデュエットで歌われています。

その後レオンウェアはプロデューサー、ソングライター、ミュージシャンとして大活躍し、ミニーリパートンもスターになりべナードアイグナーもあの超名盤の製作に関わります。