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Jimmy Smith - Back At The Checken Shack (1963)

本作は1960年に録音されたアルバムで61年リリースのミッドナイトスペシャルと同じです。ミッドナイトはすぐにリリースされたものの本作は2年後にリリースされています。しかもその間にもっと後のセッションの録音を収録したアルバムが何枚かリリースされています。ブルーノートの録音とリリースは調べれば調べるほど謎が深まります。どこかで聞いた話ですがブルーノートがシリーズ化できるほど膨大な未発表音源集や正確な型番や録音データを載せたディスクガイドがあるのはめちゃくちゃそこら辺の記録が正確だからで他レーベルでは作ろうにもそこら辺がいい加減で上手くいかないとか。どんな些細なデータでもきっちり管理して時が経ったら公開しましょう。
話が脱線してしまいましたが本作はモッズからの人気も高く特にモッズなロックからジャズファンクやソウルを演奏した鍵盤奏者ブライアンオーガーのお気に入りだとか。

メンバー
ジミースミス:オルガン
ケニーバレル:ギター
スタンリータレンタイン:テナーサックス
ドナルドベイリー:ドラム

Back At The Chicken Shack
緩くリラックスした雰囲気のソウルジャズナンバー。ブッカーT&The MG’sのアドリブを増やしたようなサウンドです。ジミーやスタンリーのコッテリしたサウンドとケニーバレルのあっさりしたサウンドが程よいバランスです。

When I Grow Too Old To Dream
スタンリーがリードをとるブルージーなミディアムナンバー。この時期のスタンリーにしては豪快かつ無骨なトーンの演奏です。

Minor Chant
スタンリーの曲でハードバップ調の曲です。スタンリーの1stアルバムLook Out!でホレスパーラントリオをバックに吹き込んでいますがそちらの方がスウィンギーかつ軽やかな演奏です。

Messy Bessie
軽やかなトーンのソウルジャズナンバー。長尺のソロナンバーで全員長いアドリブを取りますがケニーとドナルドのあっさり組が熱い演奏をしているのが印象的です。

コネクション:ジャケット

服装を見るにミッドナイトスペシャルと同じ時期に撮られた写真かなと思いますがそちらはB&Oと書かれた貨車にジミーがぶら下がっている写真が使われています。
これはボルチモア&オハイオ鉄道のイニシャル。今はありませんがかつてアメリカ北部の主要都市を結んでいた鉄道会社でメンバー全員の地元(ケニーはデトロイト、ジミーはペンシルベニア、スタンリーはピッツバーグ、ドナルドはフィラデルフィア)やニューヨークには主要な路線と駅があったので彼らがB&Oのイニシャルが書かれた貨物列車にエデンの東のジェームズディーンやRainy Night In Gerogiaの歌詞のようにただ乗りするのはジャケット用の演出ではなく実話だったかもしれません。