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Grant green The Final Comedown (1972)

今回は1972年にリリースされたグラントグリーンのアルバムで、ブルーノートレコード初のサントラ盤The Final Comedownを紹介します。正直グラントグリーンのアルバムとして聴くには少し微妙ですが70年代初期のジャズファンクのおいしいところが詰まったサウンドはかっこよく、スタッフが好きな人ならサウンドの節々から覗くスタッフサウンドを探すのも面白いです。

メンバー
グラントグリーン、コーネルデュプリーギター
リチャードティー ピアノ、オルガン
ゴードンエドワーズ ベース
グラディテイト、バーナードパーディ ドラム
ラルフマクドナルド:パーカッション
ウェイドマーカス:編曲

レアグルーヴやソウルよりのフュージョンのレコードでは定番のメンバーが揃っています。そしてウェイドマーカスはこの頃のブルーノートのビッグバンドやストリートのアレンジを手掛けていた人。元々はモータウンの仕事をよくしていた人です

Past, present and future
マーチング風のスリリングなビートやワカチョコ鳴るギターがかっこいいジャズファンク。

The final comedown 
グラントのクリーンなトーンのギターがかっこいいソウルジャズ。バーナードパーディらしいメリハリのあるドラミングとブンブン唸るベースラインがかっこいいです

Father’s Lament
リチャードらしいゴスペルのようなオルガンとまろやかなリードギターの掛け合いがかっこいいです。ギターはおそらく初めがグラントで続くリズムとその後のリードはコーネル。最後は二人が交互に弾いていると思います。

Fountain Scene
まったりとした弦とホーンをメインにした映画音楽という感じの曲です。

Soul food - African shop
映画の方は見ていないのでわかりませんが、タイトル的にアクション映画でありがちな表は普通の店だけど奥はアジトになっている建物が舞台なのでしょう。インストソウル風の前半とパーカッションと舞うようなフルートが怪しげな後半に別れています。

Slight fear and terror
クラヴィネットかオルガンかわからないキーボードやクリーントーンに若干こもらせたギターソロかっこいいスリリングなジャズファンクナンバー。ただ1分ちょっとで終わるのが残念!

Afro party
ホーンがメインのパーカッシブでご機嫌なソウルジャズ。ギターはホーンセクションの一員のような演奏をしていますが音色が違うのでホーンのソロパートでは同時にソロをとっているような感じです

Luanna’s Theme
ソウルのようなスウィートな弦を使ったメロウで切ないバラードナンバー。

Battle Scene
熱く疾走感のあるドラムとパーカッション、緊張感のあるピアノ、ぐちゃぐちゃしたワウギターのカッティングの全てがかっこいい間違いなくこのアルバムで1番ファンキーな曲です。

Traveling to get to dog
パーカッションとドラムだけの短い曲。アフリカンだけどサンバっぽさもあって面白い一曲です

One second after death
不穏な曲調の映画音楽で時間的にもスタッフロールで流れているような印象を受けます。

最後に映画の話も。ストーリーはブラックパンサー党をモデルにしたグループの話で同時期の似たような映画とは違いクールな男、撃ち合い!爆発!セックス!みたいな物じゃなくシリアスな内容のようです。日本では一度VHSがリリースされただけのようで内容がわからないうえにGoogle検索するとサントラの方ばかり引っかかり言葉を付け足してサントラがヒットしないようにするとThe Final Countdownという別映画がヒットするくらいには知名度が低いです。主演はビリーディーウィリアムズという方。スターウォーズシリーズのランドカルリジアン役の人というとピンとくる方が多いかもしれません。個人的にランドはスターウォーズシリーズの中でも好きなキャラクターなんでちょっと興味が湧いてきました。他にもバッドマンとかモータウンが制作したダイアナロス主演映画にも出演しているとか。