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Lou Donaldson- Quartet/Quintet/Sextet(1957)

 なんと今月の10月30日でルードナルドソンが97歳になるそうです。最近消息を聞いていなかったのでもしかしたらもう亡くなっているのかなと思いましたがどうやら90歳で引退して今は故郷の老人ホーム(おそらくいいところ)で元気に暮らしているそうです。それを記念して今まで紹介してこなかったルードナルドソンのアルバムで持っているものをいろいろ紹介していきます。僕の好み上ブルースやソウル時代のものが多いですがお許しください。

 本作は彼がパーカー派のバッパーだった頃の演奏でタイトル通りカルテット(4人)、クインテット(5人)、セクステット(6人)編成での3つのセッションでの録音で52年に二回(1〜6、8)、54年(7、9、10)に一回行われています元々は複数の10インチ盤として発表されたものをセットにしたものでどうやら時系列順に並び替えたものもあるようですがオリジナルで再販版でもよく使われている曲順で紹介します。ジャケットはお馴染みリードマイルス。一筆書きで書き殴ったようなタッチのイラストが珍しいけど印象的で好きです。

メンバー
ルードナルドソン:アルトサックス
ジーンラムゼイ(4、5、8)、パーシーヒース(1、3、6、7、9、10):ベース
アートブレイキー(1〜3、6、7、9)、アートテイラー(4、5、8):ドラム
エルモホープ(7、9、10)、ホレスシルバー(1〜6、8)
マシュージー(7、9、10):トロンボーン
ブルーミッチェル(1〜3、6)、ケニードーハム(7、9、10):トランペット
二大アートを起用したドラムを始めビバップ時代のブルーノートのオールスターが集結しています。

If I Love Again
ビバップらしいアップテンポの曲。はつらつとしたルーのサックスがとても気持ちよくアタックの強いリズムセクションもよく合っています。

Down Home
ほんのりアーシーなブルースナンバー。パーカー派と言われたこの頃でももうブルースフィーリングはしっかりあります。ホレスシルバーのピアノも負けないくらいブルースフィーリングいっぱいでたまらないです。

The Best Things In Life Are Free
典型的なビバップナンバー。ルーももちろんですがブルーミッチェルのラッパもビバップしていて最高です。

Lou’s Blues
ブギウギ調のリズムが楽しいブルースナンバーでルーも気ままに吹いている感じがしてよりいいです。打楽器のようなベースがかっこいいです。

Cheek To Cheek
アップテンポの煽るようなリズムがかっこいい曲。ルーは煽るリズムにその手には乗らないよというかのようにマイペースに吹いていますが仲は良さそうです。

Sweet Juice
ミディアムテンポのバラードナンバー。鼻歌を歌うかのようなルーのアドリブが楽しいです。

The Storoller
エルモホープのピアノがかっこいい一曲。ホーンセクションは3菅で迫力があります。特にトロンボーンの音がかなりいいです。

Rouccus
東洋風のテーマが印象的なミディアムナンバー。ホレスシルバーの曲ですがホレスはこういう曲調を書く事が多い気がします。

Caracas
ホーンのハーモニーが印象的な曲。52年のものよりゆったりとしたテンポでソロも落ち着いていて時代の変化なのかメンバーの違いなのかはわからないですが興味深いです。

Moe’s Blues
息のあったホーンによる厚みのあるメロディが印象的な曲。続くトロンボーンソロやピアノソロも派手さはないですが印象的です。