「殺しのライン」
アンソニーホロヴィッツのホーソーンものの3作目をようやく読みました。図書館に置かれたのが10月の終わり頃、予約の順番待ちで2か月。本当に長かったです笑。本作もしっかり面白くて一気に読んでしまいました。
あらすじ
「メインテーマは殺人」の宣伝のためチャンネル諸島のオルダニー島で開催された文芸フェスを訪れたホーソーンと私。フェス関係者や出席者の間でも島民の間でも何やら不穏な空気が流れていますがフェスは成功して終わります。しかし、その夜行われたパーティで主催者が刺殺されます。島を揺るがす電気ケーブルの中継地点の工事、怪しい関係者、さらにはホーソーンが警察を辞める原因となった前科者デレクアボットの存在。難事件を前より絆を深めた?2人は解決できるのか。
解説のようなもの
チャンネル諸島はチャネル諸島ともいいイギリスではあるけれどイングランドよりもフランスに近く行政は憲法や法律は独自のものを、国防と外交はイギリス政府が担当するという変わった関係の国?です。第二次世界大戦中はプロパガンダ的な理由もありドイツ軍の大軍が占領し数多くの防衛施設を建設。被害者はこの時建設されたトーチカを別荘として使っています。さらに島には強制収容所が置かれた他物資不足で島に残った島民の多くが亡くなっています。
感想
シンプルですがとても面白いです。アンソニーホロヴィッツの作品はどれも複雑なトリックではなく関係者の言動を注意深く読み、時系列にまとめると簡単に怪しい人物が浮かび上がるけど、ミスリードが多いうえにシンプルが故に引っかかりがなく見落としてしまうことが多いですが本作は1番そんな作品だと感じました。またデレクアボットとホーソーンの関係やホーソーンの過去も少しながら明らかになってきました。ここら辺は徐々に明かしていき最終巻で全てが明らかになるらしいです。何巻かまでは忘れましたがホロヴィッツは何冊書き、どの話でどの程度明かすかかもう決めているそうです。こういう計画性のある書き方は元放送作家らしいなと思います。2022年にはイギリス最新刊が出版されたようなので一日でも早く日本でも出版されることを祈ります。
シリーズ一作目の解説はこちら。二作目はなぜか飛ばしてしまいましたが面白いのでまた読み返して書こうと思います。