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渡辺貞夫 - The Girl From Ipanema(1974)

本作は1967年に録音されるもなぜか1974年までお蔵入りされたアルバムです。また74年、77年、80年以降でアルバムジャケットが異なるというなかなかにややこしい事情もあります。(僕が所有しているのは77年版です)。しかし内容の方はとてもよく岩浪洋三さんはナベサダさんのボサノヴァの作品の中ではベストとまで言っています。僕も気に入って聴いています。

メンバー
渡辺貞夫:アルトサックス、フルート、口笛、スキャット
菊地雅章:ピアノ
中牟礼貞則:ギター
富樫雅彦:ドラム
宮田英夫:ベース
原田政長:ベース

The Shadow Of Smile
録音当時のヒットナンバーのカバーです。切ないメロディと艶やかなアルトの音色がとても良くマッチしています。

The Girl From Ipanema
軽やかに舞うフルートが涼し気な一曲。ナベサダさんはフルートだけでなくスキャットや口笛も披露しています。

Un Homme Et Une Femme
菊地さんのピアノの響きが印象的な曲。低音を効かせたフレーズと高音を活かしたフレーズを繰り返す演奏が印象的です。

Fly Me To The Moon
楽しいメロディをフルートが軽やかに奏でています。後半にジャズらしいアドリブパートになりますがこちらは菊地さんが活躍します。

Once I Loved
ナベサダさんは再びアルトを吹いています。硬質で透明感のある菊地さんのピアノが印象的です。

Coisa mais Linda
カルロスリラの作品でロマンティックなメロディが印象的です。

Favera
フルートが軽やかですがどこか土臭くサンバ的な一曲。富樫さんのドラムが映えます

O Moro
どこか影のあるフルートが印象的なバラードナンバー。中牟礼さんのギターも美しいです。

Maria Ningeum
優雅なアルトが美しいバラードナンバー。

Voce E Eu
カルロスリラの作品。口笛のように響く素朴なフルートが印象的です