見出し画像

ーインターンシップ体験記ー

今回も、インターンシップにご参加いただきました学生さんのフレッシュな体験記を書いていただきました!それではどうぞ↓

はじめに
 今回、みぞえ画廊さんのインターンシップに五日間、参加させていただきました。
私は大学で建築を学んでいる学生ですが、アートに興味があるだけの私をインターン生として受け入れて下さりありがとうございます。
時としてアートというのは空間そのものや空間の中で起こる体験のことを指すと感じており、アートと建築は密接につながっていると感じます。「アートを売る側」、「アートを生み出す側」、「アートを飾る空間を作る側」の全ての視点を見てみたいという思いが根底にありました。
それぞれの視点を見られる素晴らしい機会で、気になったことや感じたことをまとめていけたらと思います。

2月27日 1日目
 1日目の初めに館内を案内して頂きました。お花屋さんとワインショップもみぞえ画廊の系列だと教わりました。
その後お客様にお出しするコーヒーの淹れ方を教わりました。
教えてもらった通りにコーヒーを淹れ、実際にお客様にお出ししたのですがとても緊張して手が震えてしまいました。何とかこぼさずにお出しすることができました。
その後、私がadobe illustratorが使えるという事で弓手研平さんの個展のDMを作らせて頂きました。なかなか難しく試行錯誤して作りました。
弓手研平さんのDMを作らせていただく前に、弓手さんの作品について少し説明をして頂きました。弓手研平さんは日本国憲法を絵画にしたシリーズを制作したことが、大きな転換点となりました。
弓手さんの画集「日本国憲法の心を描く」を読み、私の感覚や解釈と交えて紹介させて頂きます。
戦後から80年が経とうとしている今、日本国土では戦争を一度も経験していません。その中で私は日本国憲法は社会や生活の根底にあり、身近でありながら、真正面から向き合ったことがありませんでした。当たり前にそこにある憲法、平和な時間が長ければ長いほど本当の幸せがや平和が何なのかを見失っていると同時に、本当の幸せや平和をそもそも知らないように感じました。
弓手さんは、日本国憲法から本当の幸せや平和とは何かの秘密やヒントがあるのではと探ることにしたそうです。そして、世界一幸せだと言われているブータンという国を訪れたそうです。
ブータンでの体験が弓手さんの作品に反映されていて、今一度幸せとはなんであるのかを考えさせられました。金銭至上主義の社会が蔓延している今、金銭の豊かさが生活の豊かさに直結しているように感じてしまいますが、そうではなく家族と過ごせる時間や日々生きられることこそが幸せなのではないかと思いました。

2月28日 2日目
 今日ははじめに昨日の続きで弓手さんの個展のDM作りをしていました。
その後、15時ごろから3/1に光行洋子展の準備をするために、今壁に飾られている絵を外していく作業をしました。絵画を箱に戻すのですが、箱に戻す際に黄色の布を掛けてから箱に入れるのが一般的なようです。私自身、よく展覧会などに行きますが、絵画が飾られている姿しか見たことがなかったので新鮮でした。中にはとても高価な絵もあり、責任の伴う作業だと感じました。

3月1日 3日目
今日は朝から光行洋子展の準備作業を行いました。
みぞえ画廊の新館に着くと、既に壁の下に飾られる予定の絵が準備されていました。F100号ほどある大きな絵から小さな絵までがあり、青を基調とした素敵な絵が並べられ、先日光行洋子展のDMのオモテにある絵が正面に来ていて、実際の絵を見ることができ感動しました。
作業は、レーザーで平衡をとっていて、すべての絵が等間隔にそしてレーザーの横線に絵の中心がくるように作業を行いました。かなり土木的な作業で壁に釘を打ったり、脚立に上がって作業をしたりとあまり慣れない作業で少し大変でしたが、上手く絵を壁に掛けることが出来ました。
 お昼は、みぞえ画廊のスタッフの方たちと光行洋子先生と一緒に食事をとりました。貴重な機会を頂きとても光栄でした。
明日から光行洋子展が開催されるのでとても楽しみです。

3月2日 4日目
 今日は光行洋子展の開催当日です。
朝からトークイベント終了まで写真撮影をさせていただきました。
14時から光行先生のトークイベントの後に懇親会があると言うことで、買い出しに行きました。その後、13時半ごろからトークイベントの準備で椅子を新館の方に集めました。

展覧会初日ということもあり、お客様がたくさんお越しになっていて光行先生の影響力を感じました。みぞえ画廊の会長もいらっしゃっていて挨拶させていただきました。
トークイベントでは、光行先生の作品の説明やその作品を描いた時の心情など貴重なお話を聞かせていただきました。
その中でも印象に残っている作品は、コロナ過に恐怖感じていた時期に描いたと言う作品です。新館に飾られている作品の多くは青を基調とした空、海や川など、私の印象としては明るい気持ちが連想される絵が多いなか、この作品は作風が異なり、赤やグレーが印象的で他の作品に比べ多くの色が使われていました。
その作品を描いたころは、連日報道されるコロナの猛威に恐怖を感じていたそうで、気づくと血液の流れていくような絵が出来上がっていたそうです。自分の心情を素直に描いても良いと感じたと仰っていました。

トークイベント中
左の作品が恐怖を感じていた時に描いたと仰っていた作品

 建築にも通ずる事があると感じ、自己を反映するような作品が多くあります。自分が素直にこの空間にいたいと思った空間などが新たに人に感動を生む体験になる可能性がありと改めて感じました。
 その後、みぞえ画廊のスタッフの方たちと光行先生で食事会に行きました。いろいろなお話を聞く事ができ素敵な時間を過ごす事ができました。お誘いしていただきありがとうございます。食事はお魚中心でとても美味しかったです。

3月3日 5日目
 今日は朝からブログの仕上げを行い、昨日撮った写真を4日目のブログに追加しました。
また、朝は小川幸一さんというアーティストの方がみぞえ画廊にお越しになっていて、挨拶させていただきました。とても気さくにお話ししてくださり、考え方やまとっている空気感も素敵な方だと感じました。
その後、お客様へお茶出しをしたり、ブログの続きを書いたりしました。
15時ごろから海外に発送する予定の絵の梱包作業を行いました。緩衝材を何重にもして箱に入れました。55×70(cm)ほどの絵でしたので、二人がかりで作業を行いました。
 作業が終わった頃に、上川伸さんというアーティストの方が丁度お越しになっていました。挨拶をさせていただき、今は日本庭園にハマっているそうです。
上川先生の作品の一つが、北九州市立美術館の本館で現在行われている磯崎新展で展示されています。建築的な絵で竹のような構造体が描かれていました。アーティストさんの名前を覚えることが苦手だったのですが、ちょうどその絵は印象的だったのを覚えています。直接お話しする事ができてとても光栄でした。
今日はたくさんのアーティストさんと会う事ができ、とても良い機会をいただきました。

 最後にはなりますが、建築学生ということであまりアート関連のインターンに来ることはない中で受け入れてくださりありがとうございます。スタッフの方々は皆さん優しくて、素敵な五日間を過ごすことができました。
今回の五日間の体験からたくさんのアーティストさんから考えや興味などを知る事ができたので、自身の建築や建築以外の何かでも昇華していきたいと思います。
ありがとうございました。

↑以上、インターンの学生さんの体験記でした!ありがとうございました。

大盛況のギャラリートーク。椅子の準備など、支えていただきました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?