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『アーモンド』 conSept

2022年3月10日(木)
@シアタートラム
¥8550(最速先行A席)

マイ推し俳優の神農さんがご出演!ということで早々にチケットを取った。
が、開幕直前にキャストさんの感染症陽性が発覚し、急遽一部公演が中止となった。日程の2/3の公演が無くなったが、ありがたいことにマイチケットは再開後の日程だったので、そのまま催行され観劇することができた。
初日を観るために遠方からいらしていた方などは遣る瀬無いよな・・・察するに余りある・・・。

STORY
怪物と呼ばれた少年が、 愛によって生まれ変わるまで――。
感情を司る脳の部位、偏桃体(形状が似ていることから、原作内ではアーモンドと表現される)が人より小さく、怒りや恐怖といった感情をうまく感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。祖母は彼を“かわいい怪物”と呼んだ。母親は感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」などの感情を丸暗記させることで、なんとかユンジェを“普通の子”に見えるようにと訓練してきた。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母親が通り魔に襲われ死傷したときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。事件によって母親は植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちに。
そんなとき現れた、もう一人の“怪物”ゴニ。激しい感情をもつその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく――。(公式サイトより)

※ネタバレ気にせず書いています。ご注意。

先ほども書いたが、まず神農さん目当てで観劇を決めた。共演の今井朋彦さんも好きな役者さんだし、脚本・演出の板垣さんはサードステージのSHOWCASEシリーズが大好きだったので安心してチケットをとった気がする(最速先行で買ったから去年の11月の話w)。
その他のキャストさんは知らない方ばかりだし、原作の小説も未読。このあらすじだけ読んだ以外、前情報もほぼゼロで臨んだ。
・・・とてもよかった。
お話自体は分かりやすく予想を裏切らない展開と結末なんだけど、登場人物がみな魅力的で。先に希望がある結末というのは良いものですね。心が、なんというか、とてもラクだなあと。今は色々と厳しい状況なので、エンタテイメントでもバッドエンドは辛すぎる。

感情をうまく感じ取れないって、どんな感じなんだろう(ヘンな日本語)。どんな気分? 感じないんだから気分も何もないのだろうか。
食の好みはあるんだろうか。おいしいって、感情なの?
失感情症についてチラッと調べたけど、サイトによって定義が違ってたりするので深掘りは控えておこう。
主人公のユンジェを表現するのは難しそうだ。何かあった時にどう反応するか、それは演出家が決めることでもあるけど門外漢の想像でしかない気がする。たぶん人によって症例によって違うだろうから何が正しいかなんて誰にも分からないよなあ、なんて。
「物語が悲劇か喜劇か、誰にも永遠に分からない」
これは劇中でのモノローグだけど、似てる気がする。

舞台写真代わりに公式さんのツイート貼っておきます↑


いつもの感想書き散らし↓

ストレートプレイではあるけど、生演奏あり(鍵盤&チェロ)、パフォーマンスもミックスされて雰囲気のある舞台。
床、床に散らばるたくさんの本、衣装などがグレーで統一感。
主役ふたりは黒、モブの役はグレーのみ、名前のある役は燕脂色を身につけるか白。全体がほぼモノトーンに紫の差し色でスタイリッシュ。宣伝美術も色数を抑えてあるし、そういうのも好み。
感情の分からない少年と激情を持て余す少年が出会い、少しずつお互いが変化する。その共鳴というか、感化というか。
恋多き母とたくましい祖母に愛された子と、両親とはぐれ荒んだ生活を余儀なくされた子。
「救うことのできない人間なんていない。救おうとする努力をやめてしまう人たちがいるだけだ。」
後見人のシム教授は素敵な大人だ。
今井さん、シム教授と針金(ヤクザ?)の両極端な役。どちらもすごい。
息子の代わりに妻と会って欲しいと依頼したユン教授は、善人だけど弱い人でもある。
他人に興味を持てるようになったユンジェは、生き生きとした少女に対して起こる小さな情動に戸惑う。
通り魔が母と祖母を襲った時に、ただ見ていた感情のないユンジェ。
感情があっても、ただ見て見ぬふりの周囲の人間。世界中の紛争、貧困、犯罪を傍観する人たち・・・

今回の作品はユンジェとゴニを、ふたりの役者さんが交代で演じる。キャラメルボックスで言うところのクロスキャストだ。淡々としたユンジェと荒々しいゴニでは印象が真逆なので、逆バージョンがどうなのかは気になるところ。
アタシが観たのはAキャストなので、千秋楽のBキャストを配信で見るか思案中。あまりお安くない上に配信期間が短いからなあ。(3/6の『LOOSER 2022』も一回見たきりで、1週間の配信期間中におかわりできなかったし)

座席の位置によってチケット料金が6段階の設定があるのがすごいなとおもった。ふだんトラムで観てる舞台よりかなり値段設定が高かったので、センターブロックの後方でちょっとお安めのお席をチョイス。そしたらめっちゃ後ろだったんで笑ってしまった。まあトラムの場合はそれでも充分に近いんだけどね。

まとまりのない文章になったな。文才の無さにしょんげり。でも自分の気持ちがまとまらないのでしょうがない。良い作品だったし、神農さんと今井さんがとても素敵だったので満足なり。

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