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舞台『ダブル』 ネルケプランニング

2023年4月4日(火) 14時開演
@紀伊國屋ホール
¥8,500

原作が好きで、ドラマも好きで、今回はとうとう舞台化とな?!
一抹の不安はあったものの、キャストに玉置玲央&永島敬三のふたりの名前があったので、ともかく観るってことは即決定。だって玲央くんが友仁さんなんて良すぎるじゃん。ドラマ版も永山絢斗くんが友仁さんにピッタリすぎると思ったけど、玲央くんの場合は実際に小劇場の役者だっていうところが役とリンクするよなあ。
いや待てよ。永島くんが友仁さんでもめっちゃいい気がする。絶対いい。その場合玲央くんが九十九だよなあ~~~~~~~~~~~~(妄想が滾る)

友達がチケット取りにくいかもよ?って脅すからイープラスの先行で取ったけど、あんまりいい席でもない割に当日は空席が目立っていたので、これは一般でもよかったなあと。まあいっか。お高い手数料は「もうチケットあるし~」っていうココロの余裕を買ったと思おう。(しかし後出しでアフタートーク情報が出たんで、やっぱチケット買うのはギリにすべきだった。うう、切歯扼腕。)

当日劇場にて。空いてそうな回を選んでチケット取ったら、思惑は当たったらしく空席がちょこちょこあったんだよね。こんないい席空けとくなら俺を座らせろ~!(と、ココロの中で叫ぶ)
そしてオペラグラス持ってくりゃよかったと席についてから後悔。小劇場ゴアーはそういうものを持ち歩く習性がないもんで、いっつも忘れる。ああ舞台が遠い。最近とみに目が悪化してるので表情は見えないわこりゃ。幸い前の人の頭が被るような悲劇はなかったので、良しとしよう。

観了。

うむ。ちょい心配だったんだけども、わりと大丈夫だったかな~。楽しめた。
あの原作を舞台でどうやるんだろうとおもったら、なんと。多家良の部屋(売れ始めて引っ越した新居の方)でのワンシチュエーションになっていた。あー、なるほどね~。いやでもさあ、せっかくあの紀伊國屋ホールで上演してんのに、小綺麗なマンションの部屋で終始するのもったいないような・・・。
まあアタシは『初級』にもつかこうへいにそんなに思い入れはないんだけどね。てか言ってしまえばつか作品ってたぶんアタシにとっては苦手な部類なんだとおもう。

原作漫画は大好きなんだけどな。原作者の野田彩子さんは『初級』を観た衝撃で『ダブル』を描いたというからすごい舞台なのかもしれないけど、たぶんアタシはあんまり好きじゃなさそう。観たことないけど。玲央くんと永島くんが出た2013年の『飛龍伝』を観た時に、苦手だと感じたのよね。(→当時の記事
なので昨夏に上演された初級、観ずにスルーしたんだけど後学の為にも観ておけばよかったなあと今更悔やむ。公演日数3日間でイベント被っててスケジュール厳しかったし、もし観に行ってたらコロナ感染拡大に一役買ってたと思うので、行かなくて正解だったけどね。(公演期間中は無症状だったけど、2日後に発熱した)
つか芝居が苦手なアタシをも面白がらせる野田さんがすごいんだよね。演劇が好きって括りを大きくすれば同じ場所にいる同士だとはいえ。

とにかく玲央くんの友仁さん最高。10年前に『飛龍伝』で彼を観た時は全くピンときてないアタシ、ばかじゃん? 気付け自分。玉置玲央の魅力に。もしかしてその後メキメキ素敵になったという可能性もあるか・・・。2016年の『フランダースの負け犬』を観た時に初めて玲央くん良いわ~ってなったんだよね。(つかチルドレンである中屋敷さんの演出も苦手~。と言いつつ何故か観に行ってるんだよなアタシ。もちろん役者さん目当てな訳ですが)
玉置友仁は原作のイメージよりもソフトな感じ(というか多家良に甘々すぎ)だったけど、中の人の圧倒的な役者力(?)にシビレたわ。そして多家良を好きすぎる。うお~感情が重いぜ。

多家良役の若い子は仮面ライダーリバイスのスピンオフでしか観たことがなかったけど、2.5次元で人気の役者さんらしい。ビジュアル的には多家良のイメージに合ってると思うし、けっこう頑張ってたとおもう。天才の役を演じるってのはかなりキビシイだろうから、ちょっと不安もあったけど。
でもやっぱりなんていうか、キレイすぎるというのかな。宝田多家良は芝居以外のすべてがダメダメなはずなのにそうは見えないし、泥臭い感情とも無縁な感じだったのよね。つか臭を感じなかった。

意外だったのが、飯山!
原作読んでるにも関わらず、配役が発表された時に(飯山って誰?)ってなったよね。原作者の野田先生さえもそうおもったらしいw
永島くんまたチョイ役か~とがっかりしてたんだけど、結構出番あるし、わりと意味のある役だったし愛されキャラになってた(と言ってもいいよね?)んで嬉しかった! 永島敬三という役者のおかげだよなあコレは。やっぱめちゃくちゃうまい役者じゃん~~。飯山かわいいよ・・・。

轟九十九役の彼も良かった。口上のシーンとか、なかなかに達者で。生で観劇した時はルックス的にパッとしないもっさりした人に見えたけど、配信で見たらすらっとして様子のいい男子ではないですか。ダボッとした衣装のせいかな、あれは。
冷田さんは冷たい感じしなかった。原作はキリッと感強め、舞台版はもっとふんわりかな。何飲む?「ワイン」ていう件(くだり)は好き。そして部屋片付けるときに、散乱してたブツを捨てていいものか伺いを立てるって言ったのに、後半は勝手にバサバサ捨ててたよねw

配信は観るか迷ったけど、配信期限最終日にチケット買って一回だけ観た。遠目ではわからない色々が見えて「へえ~」「ほうほう」と思ったけど、あれは生でも、遠目で見てもわかる様でなきゃダメなんじゃないかなとも思った。
愛姫役の子はとてもかわいい顔をしているけど、生で見た時にはかわいいってわからなかった。遠いから、顔の造作までは見えない。でもきっと一番後ろの席で見てる人にもかわいいんだってわからないといけないよね。それが舞台演劇だし。難しいけど。

最初に書いたけど、この作品をワンシチュエーションにしたことについては微妙な気持ち。うまくまとめる上手い手だなとは思うけど、ちょっぴり残念な気持ちもある。うん、そうか。これは原作のスピンオフ舞台なのかも。
あとね、映像の使い方がちょうダサかったのが残念。特にスクリーンに投影されたドラマ部分。え、これギャグパート?って一瞬思った。LINEのやりとりも何であんなにカッコ悪いんだろう。文字のやり取りを読み上げるのとか、それが生声じゃないのも、どうもお寒い。少し前にKERAさんの舞台を見たから余計かな・・・。

最大級にワカランのが、多家良の気持ちをキスで拒絶した熱く激しいシーンがあった後、なぜかふたりで鍋を囲んでほんわかなラストシーンになるのか、何度見ても(生と配信とで計2回だけど)咀嚼できなくて。いや、これはアタシの読解力が無さすぎるだけだとおもうけど。
「世界一の役者に、俺はなる!」「そっかあ頑張れ」って、あれ? 結局もとに戻ってる?
ダメだ、アタシ本当に頭悪い。
何にせよ原作が完結してないから、原作の先を明確に描くわけにもいかんだろうしな。
パンフも買っておけばよかったかなあ。そこまで欲しいと思わなかったし、最近パンフをアレコレ買いすぎだと思ってたんで我慢しちゃった。だって高いんだもん・・・

しかしなあ、舞台の方は人気役者さんのお陰かかなり盛り上がったようだし、原作者様もずいぶんとお喜びのご様子で熱いつぶやきをたくさんされていて、まあよかったねとおもうんだけど。
WOWOWのドラマ版も好きだったので、この温度差にちょっと淋しいというか悲しくもなったよね。というか妬ましかったよ。原作者はつまり創造主(神ともいう)だからさあ、彼女に愛されて舞台はいいよねえ。似顔絵なんて描いてもらっちゃってさあ。いいなあいいなあ~。野田さんはドラマの方はさほどお気に召さなかったのかしらねえ。しょぼん。

またもやとりとめのないアタマ悪い文章になったけど、アタマ悪いからしょうがない。
ドラマも舞台も楽しんだけど、何より原作が好きなので完結まで頑張ってほしい。自分も(趣味とはいえ)まんがを描いている身なのでリスペクトしかないです。連載楽しみ!


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