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『15 Minutes Made in本多劇場』 Mrs. fictions presents

2023年2月24日(金)19時開演
@本多劇場
4,500円(一般/前売)

Mrs. fictionsさんの企画公演『15 Minutes Made』は、複数団体がそれぞれ15分の短編作品を上演するというもので、言うなれば音楽ライブの「対バンイベント」みたいなものだ。
直近のこの企画は2017年で、その時にキャラメルボックスが参加したので観に行ったのがMrs. fictionsとの出会い。そしてその後の本公演『伯爵のおるすばん』で完璧に堕ちたのよねえ。
5年半ぶりの『15 Minutes Made』、ふたたびキャラメルが登板すると言うし、観ないという選択肢は無かったのである。

さて今回も6団体が参加。長くなってもアレなので、サクッと感想メモを。

☆ロロ『西瓜橋商店街綱引大会』
友だちが好きで観に行ってると聞いて、気になりつつも未見だったので、ちょっと楽しみにしていた。うん、おもしろかった!けど、予想とはかなり違って、ちょっと不条理ギャグみたいな感じ?
出演者は若い夫婦のみ。妻の方がブラジリアンワックスで鼻毛を処理しようとスティックを鼻の穴につっこんでいるが、どうしても抜けなくなる。
夫は商店街の綱引き大会にほぼ義務感で参加するも、会場には自分と、遥か遠い商店街の反対側にひとり(実は緑色のエイリアン)、対戦相手がいるっきり。しかも妻はワックスの棒を鼻から出したまま・・・。シュールw
夫が綱引きでウンウン頑張ってる時に妻は離婚を切り出すし、必死になった拍子に鼻のワックス棒はすっぽ抜け、エイリアンは爆発する(何で爆発したんだっけ?)。何かもう全部がワヤで笑えたw
しかし夫の財布から毎日千円抜いて、ずっと気づかれないから離婚したいって・・・夫くんが不憫だわ。50万円無くなっても気づかないのはどうかと思うけど。

結局長くなった~。まくろう!

☆キャラメルボックス『魔術』
芥川龍之介の短編を、原作そのままをセリフにして役者が語る。3人の役者がペール缶をドラムにしたりスツールにしたり。
ストーリーは何となく先は読めるがなかなか面白かった。原作にはないアレンジもあったらしいが、それも良かった。未読なので原作も読んでみたい。
だけどとにかく早口すぎて、忙しない。何とか聞き取れるけど(役者さんはすごい!)テキスト量が多いのは脚本で何とかできなかったのかな。

☆ZURULABO『ワルツ』
好みではなかった。キモオタ風の男は「まゆ」のストーカー? ピアノの先生とは?? うまく咀嚼できず。うーむ??

☆ブリーズアーツ『真夜中の屋上で』
声優の緒方恵美が設立した声優事務所だそう。なるほどのリーディング。脚本は真柴さんの書き下ろしということで、今回はキャラメルの作品よりもキャラメルテイストど真ん中って感じ。幽霊ものだし、まあありがちな話デスヨネ。
若い子達頑張ってるなと微笑ましく。いや、BBAにはちょっと面映い。リーディングとはいえ生の舞台だし、関根くんはさすがに良かった。

☆オイスターズ『またコント』
演劇というよりはコントだった。
駅。通りすがりのサラリーマンに「ツッコミ」を依頼する男女。話が食い違ったり絶妙にハマったり。いつのまにかいっぱい笑った。人生うまくいかないことは全部ボケ。
冒頭、サラリーマンは自殺しようとしてたよね。セリフなしでちょっとの目線や仕草でそう思わせるの、すごいな。

☆Mrs. fictions『上手も下手もないけれど』
何度も上演されているらしいけど、本当に名作。15分でこの感動。泣ける。
売れっ子俳優の楽屋に、大部屋からはみ出た新人女優が間借りにくる。海外ドラマ風の台詞回し&大袈裟ジェスチャーでコメディな始まり。
いつの間にか女優はそのまま居続けすっかり馴染み、いつの間にか年老いて・・・。人生を重ね合わせていることに気づき、ラストは女優さんが先に出番を終えるとなったときに、もうグッときてしまった。

まったく違う6つの短編、堪能した。面白かったー!
やっぱりミセスさんが圧倒的だったなあ。良い企画だし、何年も何回も続けているのはわかる気がする。次回またあったら絶対行きたいもんなー。


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