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EPAD Re LIVE THEATER 『眠くなっちゃった』2023年

2024年7月14日(日) 12時~
@世田谷パブリックシアター
無料(チケット購入の際の手数料のみ)

まずはEPADってなんじゃらほいってところからですが、生の舞台観劇をある程度している方ならチラシ束で見かけたことがあるはず。どうやら舞台をアーカイブ+デジタルシアター化しよう、という取り組みを行っている団体らしい。詳しくはコチラ→EPADについて
チラシを見た時にはへ~ってカンジだったんですが、こんなにちゃんと活動が実になっているなんて!(←失礼) いや、そんな素敵なこと、実現させたとしてももっと先のことかなと思ってたんで。
今回の上映会は、そういう団体の活動の、ある意味発表会的な感じなのかなと。だから無料なんだと思う。たぶん活動が軌道に乗ったらちゃんと料金をとって、活動の資金として回していくのだろうから。

今回の上映会はケムリ研究室の『眠くなっちゃった』(2023年)。劇場機構のトラブルで東京公演のほぼ半分が公演中止になったので、観たくても観られなかった人も多かったと思う。(アタシのチケットも中止回だったけど、何とか別日のチケットを手に入れて観ることができた。→その時の記事)アフタートークでケラさんがお客さんに質問したけど、この演目を観劇した人と今回の上映で初めて観た人は半々くらいだったみたい。生ではなくても、こうやってリアルな映像でも劇場体験ができるのはありがたい。

そう、8K映像という高精細な画像だと聞いてはいたけど、あんなに大きなスクリーンに映したらどうだろう?と疑問だった。最初は映像だなあと思ったけど、すぐにストーリーに没頭して映像だと言うことを忘れてしまった。眩しいくらいに明るい部分は白トビするし、薄暗いところは黒く潰れてしまうのが難点だけど、それ以外はリアルと大差ない気がした。ラストシーンは性懲りも無くうるっときてしまった。
定点カメラ・等身大上映、収録した場所と同じ劇場ということもあって、リアル観劇に近い体験ができた。臨場感すごいわー。これ普及したら激戦チケットの演目とか、これで観やすくなるかもという期待がふくらむわ。

上映終了後はケラさん、緒川たまきさんご登壇でアフタートーク。
緒川さん曰く「自分を観る滅多にない機会」と。やはり出演者は自分の出た舞台を実際にみてみたいと思うものだけど、それがある意味叶った。
おふたりとも、観ていて「こうすればよかった」とかダメ出ししたくなったんだそう。座組のみんなと話したい、とも。
ケラさんは音にうるさいとのことで、無音・静寂を作り出すのが難しいと言及。たぶん今回の上演でも音声・音響に関してはまだまだと思ってるんだろなー。

MCの徳永京子さんは「映像を駆使した作品だから、こういう上映に親和性があるのでは」と。そこからプロジェクションマッピングの話も拡がって。
娼婦仲間と話すシーンなどは、特殊な紗幕に映像を映して役者はその中で芝居をしている。お客さんも見えない中なので、どう見えているかが不安だったと緒川さん。今回の映像で確認ができてよかった。
セットや役者に映像を打つ(うつすではなく、うつと表現されていた)のはずいぶん昔から行われていたそう。マッピングと言えばケラさん!というイメージだが、ほぼやり尽くした感があるそう。この『眠くなっちゃった』はマッピングのピークで、逆にいま上演中の『江戸時代の思い出』ではほぼ使っていない。

30分あったトークの時間も、あっという間で話たりない様子。こちらももっと聞きたい! 最後にこの演目は再演をしたいとのことなので、それも楽しみ。
この上映会はとても良い機会でした。EPADさんの可能性はすごいとおもう。ナショナルシアターライブくらいの値段で、色んな演目が見られるようになるといいなあ。

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