シンエヴァとイマジナリー

日記です。シン・エヴァンゲリオンのネタバレがほんのりあります。

父親と、シン・エヴァンゲリオンを観た。父はTV版をリアタイで追いかけ、旧劇場版と新劇場版どちらも観ていたエヴァのヘビーユーザー(エヴァが大好きだとは言わないのでファンではない)である。感想を聞いた。「なんか途中から全然わからんかったけど、全部を無理矢理でも終わらせようとする意気込みはあった」と言っていた。世界観を深く掘り下げるタイプのSFやロボットものが大好きな父は、TV版の初期こそかなり熱中してエヴァを観ていたらしいが、だんだんついて行けなくなり、終盤はかなり頭の中で困惑していたそうだ。だがそれでも旧劇も新劇も観たし、今日もシンエヴァをノリノリで観たので多分好きなのだろう。好きな作品がどんどん迷走していって、好きだった作風がガラッと変わってしまっても観ちゃう気持ちはわかる。シンエヴァを観た帰り道、苦手な庵野監督の演出について語る父はそんな感じだった。

私はシンエヴァを観たのは二度目。一度目は、映画が公開した次の日に観たのでネタバレは全然大丈夫だった。シンエヴァは、初見だと何やっててどうなってるのか全然わからないけど、二度目になるとある程度「ここわからんポイント」みたいな部分が察せるので、そこだけ考えず面白いところだけが脳に吸収された。私は一応TV版、漫画版、旧劇、新劇全て見ているので、伏線が張り巡らされたノベルゲームの表ルートを全てクリアした後、裏ルートを見ているような気分だった。シンエヴァは伏線を次々と回収していくので、気持ちいい(無理矢理ねじ込むような部分もあるので好みは分かれると思うけど)。

少しネタバレ。

「君はもうイマジナリーではなく、リアリティで救われているんだね」

シンエヴァの終盤、カヲル君が言ったセリフが妙に頭に残っている。シンエヴァのストーリーは全体的に空想からの脱却、現実に目を向けることによって人は救われるのだという感じのストーリーだった。だが、私は今かなり崖っぷちの生活をしていて、アニメやオリジナルのキャラ、つまり空想の存在になんとか延命させられている状態なのだ。だって現実って辛すぎるじゃないですか。1秒でも嫌なこと考えるのやめたいじゃないですか。現実が嫌だが、現実で生きるためには、現実にないもののことを頭に詰め込むしかない。でもシンジ君は現実を見た。何も食べられず、動けず、声も出せないまま床にうずくまっていたシンジくんは、綾波ではないアヤナミレイの存在と向き合い、現実を見られるようになった。そしてお父さんであるゲンドウと対話し、お父さんを救い自分も救われて、そして世界をやり直すことができた。そのストーリー自体は素晴らしいし、泣きそうになったがそれでもモヤっとしてしまう。でもシンエヴァのストーリーを否定できない。だってエヴァが好きだからいちゃもんを付けたくないんだもの...だが、ここでこれはモヤモヤするとはっきり残しておかなければ私はシンエヴァを盲目的に肯定していることになってしまうので、ここに書き残しておく事にする。そんな感じでした。みんな!シンエヴァは二回観よう!二回目は面白いから!あと見る前に汁物を摂取するのはやめよう!便意で集中できないくらい長いから!


気に入ったら、投げ銭してもらえるとうれしいです。