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小説

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2019年12月の記事一覧

反信欲

自分から手を離すくらいなら永遠に届かない方がいい。って、あなたの天邪鬼は死んでも増幅し続…

相川 実
4年前
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ノットオンリーセオリズム

着たい服を着たいときに着られるだけで、それだけで幸せになれる。人生なんて案外そんなもん…

相川 実
4年前
1

kiss me?

15年前の私にキスをして。何も言わずに、ただ優しく。物心がつくたったの1時間前。あのとき私…

相川 実
4年前
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after AI

 AI、つまり人工知能と呼ばれるそれらが物語の中で常に戦争を起こしているのは、それがまだ…

相川 実
4年前
1

ウスバカゲロウ

「この前家に上がり込んできた蟻に聞いたんだけどね。この世の蟻たちの前世、漏れなく人間な…

相川 実
4年前
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明夜往路

駅から職場まで10分間、歩いていると時折不思議な夢をみる。ちゃんと地面と前を見て世界の音…

相川 実
4年前
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本音

声も文字も忘れてしまって紡ぐことも歌うこともできない。全然本意じゃない生活も永遠になると、無意識に潜り込んで、しまいには本意に成り変わるらしい。スポーツはルールを知らずにみても怒られないけど、常識を知らないまま大人になると誰かに文句を言われる。でも良識のある大人は無知を相手にしないから、文句を言ってくるやつもどうせ相応に馬鹿らしかった。 今日も生きた心地がしない。それは絶え間ない苦痛のせいなどではなく、ただ緩やかな安心に由来する。それは裏を返すと永続的な不安だった。それ

生命線

なんだか胸の奥がぎゅっと苦しくて、君がいつも死にたいと言っていた気持ちが少しだけわかっ…

相川 実
4年前
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フウセンカズラ

呼吸の仕方さえ忘れてしまっても、あなたからもらった愛憎だけは決して忘れない。だってこれ…

相川 実
4年前