本音

 声も文字も忘れてしまって紡ぐことも歌うこともできない。全然本意じゃない生活も永遠になると、無意識に潜り込んで、しまいには本意に成り変わるらしい。スポーツはルールを知らずにみても怒られないけど、常識を知らないまま大人になると誰かに文句を言われる。でも良識のある大人は無知を相手にしないから、文句を言ってくるやつもどうせ相応に馬鹿らしかった。

 今日も生きた心地がしない。それは絶え間ない苦痛のせいなどではなく、ただ緩やかな安心に由来する。それは裏を返すと永続的な不安だった。それなんで裏返したのって、早くひっくり返し過ぎた歪な形のお好み焼きは呆れている。

 そりゃあただ真っ直ぐ、前だけをみて生きていられたらもっと楽だったよ。でもそんなの皆目私じゃない。それはとても嫌だ。だから不安症も殺さないで。ドゥービーコンティニュード?

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