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厚生年金保険料は会社も払ってます

日本年金機構から、年金定期便が毎年届きます。
この年金定期便には「これまでの保険料納付額(累計額)」という欄があります。
文字どおり、これまで自分が支払ってきた保険料の累計額が記載されています。

ここから試算すると、現役のサラリーマンの人が将来、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて200万円を受け取るためには、累計約1800万円強の保険料を納める必要があるようです。

1ヶ月あたりざっと4万円弱。
大学を出て60歳まで会社勤めをし、厚生年金保険料を払い続けると、およそ1800万円になります。

1800万円払って、65歳から毎年200万円受け取る。
9年で元が取れますから、74歳まで長生きができれば得になる計算です。

ずっとサラリーマンとして勤め、厚生年金に加入していた人の元に届く「年金定期便」を読む限り、日本の年金はそんなに悪くありません。

たが、ちょっと待ってください。

厚生年金保険料は会社も払っています。
金額は従業員の給与からの徴収額と同額です。


具体的には、標準報酬月額の18.3%を会社と従業員で折半しているのです。
会社が払うと言っても、べつに「会社」という人がいて、親切にも保険料を払ってくれているわけではありません。
従業員が働いて稼ぎ出した利益から、人件費として支払っているにすぎないのです。
実質、従業員が国に対し支払っているのと、同じことです。

上の例でいうと、毎年200万円の年金を受け取るために支払っている保険料は、1800万円ではありません。
倍の3600万円です。
74歳ではなく、もう9年。
元を取るには、83歳まで長生きする必要があります。

日本人の平均寿命は、男性81.4歳・女性87.5歳。
計算が合いますね。

年金は保険です。
この数字を見ると、老齢厚生年金とは加入者みんなでお金を出して、長生きした人を保障する保険だということが、つくづくよく分かります。
きちんとリスクヘッジがなされたシステムなのです。


それにつけても、「これまでの保険料納付額(累計額)」に、会社が納付した累計額も記載しない年金定期便のやりくちは、ちょっとフェアじゃないなぁ~笑


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