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がんばれファイターズ その3

前回・前々回と、ファイターズが北海道に移転してから大谷選手がメジャーに行くまでの私の思い出や印象を書きました。

今回は第3回目、エスコンフィールドについて書きたいと思います。

3、エスコンフィールド北海道

ファイターズがボールパークの構想を持っていると、私が初めて知ったのは、2010年ごろだったと思います。
メジャーリーグにならい、単に野球場だけでなく、その周辺に様々なエンタメの機能を集積したボールパークを作りたいと・・・

野球中継の合間などの折に触れ、その情報はちょくちょくアナウンスされていた記憶です。

当時多くのファンは、それは夢物語のような構想だと思っていました。
そんな未来が訪れたら素敵ですね、と・・

本当に実現させたファイターズは、見事としか言いようがありません・・・


そのボールパーク構想が具体的な話として動き出したのは、2016年日本一になったすぐあと。
ファイターズが札幌ドームを離れて、新たな場所にボールパークを建設するらしいと・・

いよいよあの構想が動きはじめるのか・・・

しかしそのニュースには、これまで広くは知られていなかった、新しい情報が加えられていました。
ファイターズと札幌市・札幌ドームとの確執です。

札幌ドームの使用料が高い・・・
グッズや飲食の販売権もドーム側・・・
人工芝が固すぎる・・・
2024年になってもネットで揶揄されている例の話題ですね・・

そしてその矢先、北広島市がファイターズの移転先として名乗りを上げました。

初めてその報道を聞いたときの私の印象は、「それは無理!」です。

北広島市は札幌市の隣町です。通称「キタヒロ」。
典型的な札幌のベッドタウン、札幌に勤める人たちが暮らす住宅だけの町。
大都市の機能はありません。
高齢化も進んでいるイメージです。
北広島の人が札幌に来ることはあっても、札幌の人が北広島に行く機会は、これまでほとんどありませんでした。

JR札幌駅から北広島駅までは約20分。
そこから候補地までは約2km。
致命的にアクセスが悪いというほどではありませんが、日々通勤で使っている人を除き、札幌市民にとってJRは、旅行するときに乗る交通機関です。
JRに乗らなければ行けないキタヒロは、心理的には遠方なのです。


一方、札幌ドームは札幌市内を走る地下鉄駅の圏内に立地しています。
札幌市内のどこからでも比較的気軽に、例えば仕事帰りでもふらっと野球を見に行ける、そんな場所にあります。
プロ野球のホーム球場として申し分ありません。

当時道民の世論は、札幌市の失態に呆れ、ファイターズ支持ではありましたが、それでもこの立地問題のため、キタヒロ移転はさすがに現実的ではないだろうと、思っていました。

しかし、その後も札幌市が、札幌ドーム残留交渉や札幌市内での移転先案の提示などで全く精彩を欠いていたため、次第にキタヒロ支持派が増えていったように思います。

北広島市は、ファイターズが望む広大な土地を提示していました。
そしてなにより「ファイターズならこの土地で、いままで見たこともないようボールパークを作るに違いない」というファンから期待と信頼もありました。

こうして、ファイターズは北広島移転を決断し、2023年春に「エスコンフィールド北海道」がオープンします。

日本ハムファイターズが球団史上はじめて自前の球場を持ったのです。

私はこれまでエスコンに4回行きました。
いつ行っても、楽しく素敵な球場だと思います。

観客席からグランドが近く迫力満点。
また、客席のコンコースがグランドをぐるりと囲み、立って観るなら移動は自由、360度どこからでも観戦が可能です。

ルーフオープン日は、開放感たっぷりで北海道の短い夏を満喫しました。

イニング間のきつねダンスは盛り上がり、多くの若い女性がきつね耳のカチューシャをつけて観戦しています。

球団運営のスタッフの方々が、野球観戦のエンタメ性を強調して、マネジメントされているのでしょう。
エスコンは野球場ではあるのですが、楽しくアミューズメントパークのような雰囲気なのです。

ガチの応援だけではなく、みんながゆるく、それぞれ好きなように野球や飲食を楽しめる場所。
そんな雰囲気をつくったスタッフの方々の経営努力はすばらしいと、いつも感心します。

ヤフコメと見ると、本州の方々からの
「いつかエスコンに行ってみたい」というコメントをよく見かけます。
ぜひお越しください。期待を裏切りません。

また、エスコンを訪れたビジターファンの方から、
「エスコン楽しかった!最高だった。」というコメントもよく見かけます。地元の人間としてとても嬉しく、誇らしい気持ちになります。

特にセパ交流戦が開催される5月末から6月中旬。
北海道で一番よい季節のときに、本州からセリーグのファンの方々がたくさん来てくれます。

これまで気づかなかったのですが、セリーグのファンの方々は街中でも推しのユニフォームを着ている方が多く、すぐに本州の方だとわかります。

そのような方々を見かけると、私は「北海道とエスコンを楽しんでいただけますように・・でも、試合はファイターズが2勝1敗で勝ち越しますように・・」とつい心の中で思ってしまいます。

エスコンはファイターズファンにとって夢のような場所です。
北海道の財産として、いつまでも大切にしてほしいと願っています。

次回は最終回。
「チャンスは一瞬」
ファイターズの選手たちについて書きたいと思います。

つづく

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