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電化製品から読み解くサザエさんの時代設定

ゆるい話を書きます。

アニメのサザエさんには、スマホやパソコンが登場しません。

液晶テレビも登場しません。

磯野家のお茶の間に登場するテレビは、タイトル画像のような昭和スタイルです。
(honey manya 様 画像使わせていただきありがとうございます。)

冷蔵庫も薄いグリーンの2ドアタイプ。

電話機は回転ダイヤル式の黒電話です。
私の認識では、コードレス式電話の子機が登場したこともないと思います。

これらの電化製品は、1975年から1980年ごろのスペックです。

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テレビ・冷蔵庫・洗濯機・電話・掃除機 etc 

1970年代後半は、主要な電化製品がとうの昔に一般家庭に全て行きわたり、第2世代・第3世代のスペックに買い替えられていたころです。

いま放映されているのサザエさんの時代設定が1970年代後半のため、磯野家の家電も、この時代のスペックを採用しているのでしょう。


ここで、ひとつ疑問が浮かびます。

サザエさんの放送開始は1969年。
1970年代後半という時代設定より10年ほど昔なのです。


つまりサザエさんには、いま放映している物語の時代設定が確定する以前に、10年ほどの歴史があるということ。

1969年放映開始当時、一般家庭の電化製品のスペックはこんな感じ・・

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テレビは4本足の白黒、冷蔵庫は冷凍室のない1ドアが一般的。
洗濯機には脱水のためのローラーとハンドルが付いていました。

その後の1970年代は、家庭電化製品がどんどん進化した時代。
テレビのリモコン、タッチチャンネル・・・
2ドア式冷蔵庫、全自動洗濯機や電子レンジ・・

新しいコンセプトを持った商品が次々と登場し、庶民の日常生活も年々洗練されていきました。

2010年代にガラケーからスマホに代わって、日常生活が一変した状況と少し似ています。


サザエさんのスポンサーは、長年にわたり「東芝」さん・・・。

1969年の放映開始から10年あまりは、東芝の新商品が発売されるたび、磯野家にさりげなくその新商品を登場させ、宣伝をしていました。(私のかすかな記憶)

と言うことは、1970年代、サザエさんの時代設定も、リアルタイムに合わせて進行していたはず・・

ではなぜ、1980年以降サザエさんは東芝の新商品のPRをやめて、時間を止めたのか?


東芝は家電部門の新製品を発売しなくなったのでしょうか?

違うと思います。
1980年代、東芝に限らず日本の家電メーカーは世界を席巻します。
東芝も大きな飛躍を遂げた時代でした。
バズーカ・ダイナブック・ダストロン・北斗星・・80年代以降の東芝製ヒット商品が、いくつか思い出されます。


東芝がスポンサーから降りた?

これも違います。
東芝がサザエさんのスポンサーではなくなったのは、2018年。
つい最近のことです。


では、ちびまる子ちゃんの人気に影響を受けた?

ちびまる子ちゃんの時代設定が1974年なのは、広く知られています。
放映開始時から30年あまりが経ちましたが、物語は1974年で止まったままです。
同じ日曜日の仲間として、考えられないことではありません。

でも、これも違います。
ちびまる子ちゃんの放映開始は、1990年です。
サザエさんが時間を止めてから10年も後なのです。

結局、答えはわかりません。

私がこの重大な事実に気が付いたのは、1995年ごろです。

何気なくサザエさんを見ていると、
『子供のころみていたサザエさんは、テレビや冷蔵庫がどんどん新しくなったのに、最近はおかしいなぁ』と・・

庶民の日常を描いた長寿アニメは、時代設定を「いま」に合わせていかないと、だんだんリアリティを失っていきます。
製作スタッフは苦しくないのでしょうか。

「ちびまる子ちゃん」は『昭和49年、さくらももこさんが小学生のころの物語』という確たるブランドを確立しているので大丈夫です。

「クレヨンしんちゃん」にはスマホが登場し、時代設定がリアタイなので、こちらも安泰です。(私は見てないから知らないけど、妻の証言より)

少年ジャンプで40年間連載された「こち亀」も、キャラは年を取りませんでしたが、テーマは時代をどんどん先取りしていました。

それに比べて、マスオさんやアナゴさんが通う会社のオフィスにパソコンやスマホがないのは、違和感しかありません。(パソコンはあった?)


そういえば「ドラえもん」もスマホが登場しません。

ジャイアンは、まだ空き地の土管でリサイタルをしているのでしょうか?

令和の子ども達は、空き地の土管がわかるのでしょうか?

どうでもいいのですが・・

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