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ナースが解説‼︎がん告知後の病気を受け入れるまでの過程について


私は看護師の資格を保有し、総合病院の病棟と外来で計13年・老人保健施設で2年の経験があります。

主に「がん看護」「内科系疾患」「老年看護」に携わりました。


現在、日本人の死因第1位は「悪性新生物(がん)」です。

こちらの厚生労働省の資料を参照してください!

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai19/dl/gaikyouR1.pdf


私は、医師による「がん告知」の場面に何度も同席をし、患者さんやご家族が病気を受け入れ、治療の選択をする援助をしてきました。

子宮がんや乳がんの患者さんは、20~30代から発症する方もいます。自分と同年代の患者さんのケアは、複雑な心境になることもありました。


もし、自分の大切な人が「がん」を患ったとき、あなたはどのように接しますか?


今回は、がん告知後の病気を受け入れるまでの過程について、私の経験も交えてお話していきます。



がん患者さんの告知後の心理状態は、3つの時期へ推移していきます。

・第1段階 衝撃(否定・絶望)
・第2段階 不安定(抑うつ、心身の異変に気づく)
・第3段階 再適応、立ち直り

これらの過程について、詳しく解説します。



第1段階 衝撃(否定・絶望)

がんの告知を受けるもあまりの衝撃に、現実を受け入れることができない時期です。「何かの間違いでは?」「頭の中が真っ白になった」というような衝動に駆られます。

現実ではないような無感覚に陥りますが、これは心理的に距離を置いて危機を遠ざけようとする、自己防衛の働きと考えられています。


第2段階 不安定(抑うつ、心身の異変に気づく)

告知後1週間が過ぎると、よく眠れない、物事に集中できない、食欲がわかないなど、不安定な時期が訪れます。

また、「なぜ自分だけがこんな目に」といった怒りや孤独感も生じます。


第3段階 再適応、立ち直り

さらに約2週間たつと、気持ちが少しずつ落ち着き、普段の自分を取り戻すことができます。病気を受け入れ、がんに立ち向かう気持ちに切り替わるのです。

この段階に達すると、がんの情報を集めたり、同じ体験をした人に話を聞いてみたりするようになります。

ここまでたどりつけば、ほとんどの人は、がんとともに生きていく心の準備が整います。


※こちらに記載してある期間は、あくまでも参考にしてください。病気が受け入れられるまでの期間は、個人差があります。



私は今まで、様々ながん疾患の患者さんの看護ケアに携わりました。


第2段階の不安定な時期の期間は、本当に個人差があります。

「うちはがんの家系だから」と言っては、すぐに病気を受け入れることができた方もいました。逆に、病気を受け入れるまで1年近くかかった方もいました。

病気を受け入れられないまま、がんの進行を防止するために、手術や抗がん剤・放射線治療を始めているのが現状です。


第1・2段階の時期は、病気を受け入れるための期間です。決して励ますことはせず、見守ることをしましょう。

看護では「傾聴」が大事と言われています。相手の話を聞き、寄り添うことも必要です。

すると、自然に病気を受け入れられる第3段階に移行します。


※もし、眠れない、食べれない、意欲低下などが継続する場合は、精神科や心療内科の専門医の受診も検討しましょう。


あなたの大切な人が「がん」を患ったときは、病気を受け入れられるまで、見守りましょうね!

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