綾瀬さんと真谷くん14「新学年」

そろそろ新学年だ。
6月には体育祭がある。それと進路についても考えないとな。そんなことを考えてると、
「優じゃん! こんなとこで何してんの?」
後ろを振り向くと、姉の奏音が立っていた。
「うげっ……姉ちゃんなんでここに来てるの?」
いや同じ学校だから会うくらいは普通だけどさぁ。
「えー別になんでもいいじゃんかー」
姉ちゃんは学校のカーストの上のほうにいるからあまり話したくない。僕の安全的な意味で。ちゃっちゃと卒業してくれよもう。
「えぇ……って、これから用事があるんからもう行くわ」
「おい! ちょっと待てよ!」
引き留めようとする姉を撒いて響が待ってる屋上に向かった。
「おまたせ響」
「あ、優今日はちょっと遅かったけどどうかしました?」
「あー、ちょっと姉ちゃんに捕まってね」
「それは災難でしたね」
「ほんとそうだよぉ……ホワイトデーに渡したべっこう飴を作る時も、何故か後ろでずっと立って見張ってたからなぁ」
少しの沈黙の後、響がこう切り出した。
「たしか次の私たちが参加する学校行事は6月の体育祭ですよね?」
そういえばそうだったなぁ。
「うん」
「そこで私たちが付き合ってること言いますか?」
「まぁ流石にいつまでも隠せないと思うし良いんじゃない?」
そういうと響は満面の笑みを見せた。
「ありがとう! 優」
こんな可愛い笑顔見せられたらこっちまで照れるじゃないか…
「優? 顔赤いけどどうしました?」
「なんでもないから大丈夫だよ」
僕の彼女は全くもって非常に可愛い。

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