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次世代CSRに欠かせない要素ーサステナビリティ 化粧品業界のCSRとサステナビリティとの関わり<#2016.10.19/26 業界向けコラム更新記事>

(本記事は、過去記事をそのまま掲載しています)

企業における社会的責任とは
企業の社会的責任(CSR)は、経営戦略やマーケティングにおいて兼ねてより重要とされてきました。
10数年前から日本でもその活動は盛んになってきていましたが、そのころのCSRは寄付が中心でした。
当時の一般的なCSRは、発展途上国へ学校を設立する、がよくありましたね。
某諸国では、その数年後に日本企業による小学校ができすぎて、逆に学校が余ってしまうということもありました。
そういった支援はとても素晴らしいことですが、ちょうど2010年代に入ったころからCSRの方向性が大きく変化していきています。

地球規模の環境問題から出てきた新しいCSRの視点

2012年の「RIO+20」で発表された新しい環境的指針に「持続可能な開発」がありました。
このときに、初めて“サステナビリティ”という言葉が浸透しました。
その当時は、過去の私の美容コラムで書いたように、先進国と途上国との間で取り決められた原料に関する相互取り組みがありました。
このときも私は早くから、新しい環境問題の視点ということで注目していましたが、
それから数年の間に、経営戦略やマーケティング、強いて言えば最近話題のコーポレートブランディングに
“サステナビリティ”がCSRに深く関わってくるようになりました。

国内の大手自動車メーカーや飲料メーカーなども、独自の“サステナビリティ”施策を展開し、それを公開することでコーポレートブランディングに役立て、成功してきています。
規模の大小にかかわらず、サステナブルな戦略はコーポレートブランディングに大いに役立ちますので、
中小でも経営戦略のひとつとなりえると考えます。

化粧品業界とサステナビリティのこれからとは?
以前の美容コラムの通り、化粧品業界でも様々な取り組みがされています。
コラムのキーワードとして出てくるフェアトレードや3Rは美容業界に限らず、サステナブルな製造においては欠かせないところになってきていますが、
以前からご紹介している「環境配慮型」という視点や来年施行予定のISO20400など、化粧品業界では新しい挑戦となっています。

個人的には今後、化粧品業界は、再生医療や遺伝子分野と、いかにサステナブルな製造活動をするかの二極化の時代になると予測します。
先端技術と自然へのルネサンスというべきでしょうか。
「環境配慮型」では、ナチュラル&オーガニック原料の調達・使用などのサステナブルな製造活動のみならず、先端技術を駆使した最小限のナチュラル原料調達というのも入ってくるだろうと予想されます。
従来のコスメ(conventional cosmetics)を否定するわけではありませんが、
ヒトと植物との親和性への高まりから、ここは見逃せないポイントです。
そして、企業が学校を作るなどというだけではなく、いかにこのように環境に配慮しているかというのも業界においては新しいCSRへと転換していくべきだと考えます。

このように、化粧品業界も新しい時代を迎えるでしょう。


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