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ずっと一緒にはいられないから。

東京に来てから、新しい出会いが増えた。しかし誰かと親密になり距離が縮まっていくたびに、少しこわくなる自分がいる。

「この人とはいつどんな終わり方になるのだろう」と。

30代も後半になると、死を含めさまざまな形の別れを経験してきて、どのような関係でもいつかは終わりが来ることを理解する。

しかし別れというのは、どのようなタイミングで、どのような形で訪れるかわからない。

大抵の場合「今日で最後だね、さようなら」という明確な別れではなく、なんとなく疎遠になり、知らぬ間にもう一生会わない人となる。

それは、さみしくもあり自然なことだ。時が経つ中で誰もが変化していくし、きちんと付き合える人数にもキャパがあるので、その時々で「より親密な」メンバーも入れ替わっていく。

別れの理由も、さまざまある。

内面や価値観が変化して心地良い関係でいられなくなる場合もあれば、結婚や出産、転職などライフスタイルの変化によって、タイミングや興味のあるトピックスが合わなくなることもある。

引越しや転勤で物理的に離れてしまう場合もあるだろう。

それぞれに人生があり生活がある中で、別れは仕方のないことだ。

近ければ近いほどそのことを見過ごしてしまいがちだが、わたしたちは、いつまでも一緒にいられない。

今日のメンバーでは、もう二度と集まれることはないかもしれない。

だからこそ、お互いが出会って人生がたまたま交わっている、今この瞬間は奇跡なのだ。

こんなにも多くの人がいる中で、わたしの目の前にはどうしてだか、あなたがいる。

いつかは必ず終わる時間だからこそ、一緒に過ごせるこの瞬間が大切で愛おしい。

最近はそんなことを考えながら、楽しそうに笑う友人たちを幸せな気持ちで眺めている。

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