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キンモクセイとノスタルジー

今日も甘い香りがふわっとかおってきて、秋がきたことに気づいた。
宮崎には秋がないっていうけど、こういう時は秋を感じる。

香りの持つ記憶って、とっても強い。
記憶力には全く自信がないので、学生時代の話を友だちにされても、名前言われても誰かわかんないし、そんなことあった?ってなることがほとんどの私でも、香りによって引き出される記憶は多少あるかなと思うの。
あと、数字覚えるのは得意、電話番号とかパスワードはめっちゃ記憶に残る、関係ないけど。

今日も役場に用事があって駐車場を歩いていたら甘い香り。
香りのもとを探していたら、見つけました。

オレンジの小さい花と緑のコントラストがかわいい。
キンモクセイは昔っから大好き。

子どものころ住んでいた家は、わりと古めの戸建てで、庭が広くて、たくさんの木が植えられていた。
そのひとつがキンモクセイ。
当時幼稚園生だったわたしは、キンモクセイが咲くと担任のさとみ先生にお花を持っていくのが日課。
優しくてかわいくて、大好きな先生だった。
先生にお花を渡して喜んでもらうことが楽しみだった。
さとみ先生元気かなー。

よそのお家の夕飯を作るにおい。
カレーとか焼き魚とか、夕方になるといいにおいが町中のいたるところから感じられる。
小学校の帰り道、学校が遠くていつもお腹すかせて帰ってたわたしにはめちゃくちゃ誘惑で。
クローバーとか赤い蜜が吸える花とかを道端で摘んでお腹を満たしてた帰り道。
もうすぐ家に着く、近所の道を歩いてたことを思い出す。
両手いっぱいに持ってたクローバーもなくなって、今日の夜ご飯なんだろって考えながら少し早足になって家路を急いだあの道。

元カレのタバコと香水が混じった匂いも。
ブルガリのプールオムだったと思う、あとメビウス。
なんでこんなに印象的かって、元カレもその前付き合ってた元カレも同じ香水をつけて同じタバコ吸ってたから。
この香水つけてる男の人多いから、毎回におうと少し焦る。

特定のにおいが記憶と結びつくことを、プルースト効果っていうらしい。
フランスの作家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸した際、その香りで幼少時代を思い出す場面があって、その描写が元になっているそう。

キンモクセイのかおりでノスタルジーに浸れる。
きっとこの記憶は誰かに話すような強い思い出じゃないけど、懐かしさを感じて、これこそが「エモい」だと思う。

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