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終活トーク #19 【お葬式に新しい風】

コロナ禍で、「家族葬」が主流になってきたと某雑誌に書いてありました。

私は、「家族葬」ではなく、「小さなお葬式」が主流になってきたと考えています。

本来の家族葬は身内だけが集まり故人を見送るお葬式でしたが、今般のお葬式は少人数でも、遠い親戚より親しい友人を呼びたい、お世話になった人を招いて最期を見送りたいなどの気持ちが強く、これは家族葬が一般葬にシフトしたのだと思います。

顔見知りの15人くらいが集まり故人の話に花を咲かせることができるお葬式は、遺族側も招かれた側も「良いお葬式だった」と思うはずです。

今までのお葬式の大きな問題は、見積もりと実際に行った葬式の費用の差異でした。

見積もりで150万円と言われたのに、請求されたのは200万円でびっくりしたとか、そんな話をよく聞きます。
この差異は、棺のランクを上げたり、祭壇の花を変えたり、食事の数やランクを変えるというオプションの付加からくると思いますが、それが分かり辛いため、遺族側が納得できない結果になり、こんな筈じゃなかったという後悔につながっているのではないかと推測します。

また、故人がどのような葬式を望んでいたのか分からず、葬式が終わった後で「この葬式で良かったのか?」と悩む遺族も少なくありません。

お葬式は亡くなって直ぐに行うので
考える間もなく忙しさの中で行事が過ぎていきます。
そのため後から振り返ると後悔ばかり出てくることになります。

私は東京のお寺と一緒に「身寄りがいないお一人様」の信託事業をしていますが、そのお寺が「おてらそう」を始めました。

「おてらそう」は、お寺が葬儀を取り仕切り、葬儀会社を使いません。

ご本尊がある本堂で葬儀を行い、小部屋で遺体を安置、食事も提供します。

お寺の部屋をすべて解放し、通常のお葬式も通夜のない一日葬も、会場使用料は同じです。僧侶と細かい部分まで話し合い、差異が出ないように気を配ります。

その時にお布施の話もします。
なかなか聞き辛いお布施のことを相談できるということで、お寺の檀家には大変好評です。

また、この寺は、宗派が違う方のお葬式も受け入れ、ペットの遺骨も飼い主と同じ納骨堂に入れることができます。

いままでは考えられなかったことが始まっているのです。

お葬式のあり方も
お寺のあり方にも
新しい風が吹き込んでいます。

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