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和登 / 夜-yoru×慎一郎 / ホタル 対談

夜-yoru-とホタルの2マンを控え、和登と慎一郎の対談を敢行。
バンドに全てを捧げていたときからは時間が流れ、
それぞれのスタンスで音楽と向き合う二人。
ライヴができないというこの現状をどう受け止めているのか。
ゲームに明け暮れる日常から真面目な話まで。
縦横無尽の話題をぜひお楽しみください。

(この取材は、4月20日オンラインで行われました)

■『アプレゲール』で、Soanさんと杏太さんを交えて座談会をしましたけど、あれから会ったり、連絡したりとかはありましたか。
慎一郎:会ってはないね。連絡するのも業務連絡ぐらい?(笑)
和登:うん。俺はヒマなんですけどね。

■緊急事態宣言が出た今、お互いに何をして過ごしてるか知らないんですね。
慎一郎:知らないですね。
和登:言ったら、クソみたいなものですからね(苦笑)。
慎一郎:ずっと家にいますよ。ジョギングとかはするけど、あとはファイナルファンタジー7を延々とやってます。
和登:俺も一緒です(笑)。今、コルネオの館です。
慎一郎:ああ~、いいね~、一緒だね。

ライヴができない今、何をやる?

■ライヴができない状態が続いてますけど、お二人のようにがっつりバンドをしてるわけじゃない場合は、受けるダメージとか思うことも違ってたりするのかなと思ったんですがいかがですか。
和登:今音楽を続けているのは、和登君が歌が好きなら続けたらいいんじゃないのって、いろいろな先輩に言っていただけたのがきっかけなんですよね。だから、歌は自然にやるべきことだし、それができないと循環ができないんですよ。自分の中の流れが滞っちゃう一方なんです。そういう想いを発信しようにも、そんなことを言ったら現役でバンドをやっている人に申し訳ないと思うんですよね。ちゃんとツアーを組んで全国区でやってるバンドの友達の苦しさとか金銭面の大変さとか考えると、マイペースにやってる自分があんまり負の感情を発信するべきではないと思ったりしますね。それで内にため込む一方になっちゃうんですけど、それはそれですごく不衛生ですけど。

慎一郎

■慎一郎さんはそういうのはありますか。
慎一郎:俺はね、あんまりミュージシャン的感覚ではなくなってしまってるんですね。それに俺、被災地で震災を経験してるんで、この国難といわれるぐらいの状態で自分のライヴができないことはすごく小さく感じてます。音楽業界自体とかライヴハウスがやっていけなくなっちゃうんじゃないかということはすごく気になりますけどね。
和登:それは思いますね。
慎一郎:世話になってきた人たちに何かしてあげられないかなということは、日々考えてます。だから、自分がミュージシャンとしてどうこうという想いはほかの方たちより薄くて、それより、何かできないのかなって。お世話になった方への恩返しが今なんじゃないかなと考えたりしますね。

■慎一郎さんがそう考えられるのは、自分のバンドのことでいっぱいいっぱいにならずにすむという側面もあるんでしょうか。
慎一郎:そうですね。きっと自分のバンド活動のど真ん中にいたら違うんだと思います。
和登:自分たちは我慢できるんです。一線を退いてるから。だからこそ、今やってる人たちの心配とか、出演していたライヴハウスの心配とかが大きいですよね。

■聴き手の人とかファンの人に対して何か考えるということもあまりなく? そういうのは、アーティストとしての自意識みたいなのから生まれるものだとも思うんですけど。
和登:かもしれないですね。
慎一郎:ライヴをやってしまったがゆえにお客さんの体調面がどうなるかということのほうが心配になってきちゃって。ライヴは生きてりゃやれるじゃないですか。でも死んだらもう聴けないし、歌えないし。今起きていることは、そういう次元じゃないんじゃないかなというほうが強いですね。

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