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a moment a dimention

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夢にあらわれた世界をshort storyにしました。
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#いのち

星の終わりに  (夢からのはなし)

きざしはもう  見えていた。 空は厚い灰色の雲が一面にとぐろを巻き、生き物の生息地を一日一日飲み込んでいた。小さな芽吹きは草地をはぐくむ間すら与えられずにもみ消され、嵐は続いた。 太陽を見ないときがどのくらい続いただろう。 生き物のほとんどは死に絶え、残ったものたちは岩陰に身を潜め、そのいのちを耐えていた。 人間は、嵐とともに消えていったもの、自ら悲観して終えていったもの、生き残れど本能が占めてしまったもの、、、生き、強いられた忍耐をもって思考力を保っていられたものは