ひとのゆめみのちからともりしとき
いつだったかはるかむかしのこと。ひとの、星々の民とこのそらをともにしていたときのこと。
世の混じり乱れたときも終わり、しずかなしずかな時代の明けようとしていた。
夜明け前の空の青は濃く、やわらかく、星々はありありとその存在を無言で輝かせていた。
森で築いてきたこれまでのあり方そのすべてを失い、部族の民もその大方を亡くし、新しい時代を前にただぽかんとひらけた自由だけがあった。
のこった女たちはかましく、たがいにかたときも離れないほどだったため、気の細く無口な青年は居場所