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その家具がある意味~大切なものを次の暮らしでも活かす

リビングでの心地良さとスッキリとした収納を満たすために制作した造作家具。ソファを並べて置いたのは、そこに腰掛けると庭が見えるからです。

私がこの家に初めて訪れたとき、一番心地よいと感じたのがこのソファのある場所でした。小さなお庭を眺められる場所。
なんとなく居心地の良さを作りにくい間取りのお住まいだったので、ソファの位置、ソファのサイズから逆算して造り付けの家具を制作したのです。

この家、実はその後建て替えをして「都会の小さな森の家」になりました。以前のリフォームの時に制作したこの家具は、この家具が必要になった背景も活かして、新しい家のダイニング収納となりました。ソファも庭を眺めるダイニングの一角に置かれました。

「その家具がある意味」が分かれば、新しい家にフィットさせることも可能です。大切なものを次の暮らしでも活かす。スクラップアンドビルドではなく、とりあえず移設するのでもなく、その家具の持つ意味をもきちんと受け継ぐこと。
それを丁寧にすれば、新たな家でもまるでその家に合わせて作らせた家具のような存在でいられるのです。

「生まれ変わるなら」

そこにあることが当然だったかのように心地よい、そんな家具でありたい。


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