アートとビジネスを直結させた男、パブロ・ピカソ
先日「ミステリアス ピカソ - 天才の秘密」という映画を見た。
この映画の9割はピカソの筆跡をひたすら追い続けるものだ、その筆跡は驚くべきものであり、制作過程と完成作品が違いすぎて個人的にはちょっと笑える映画でもある。
バキバキのコントラストで撮影された映像がとても印象的だ。
今回はその映画の余韻から、ピカソについての話をしよう。
ピカソから学ぶマネジメント術
ピカソほど生涯経済的に恵まれた画家はいないという。
ゴッホや他の画家たちと経済的な部分において、天と地ほどの命運を分けたのは、ピカソが「お金とは何か?」をよく理解していたからだ。
人はモノではなくその物語にお金を払うことをピカソは知っていたのだ。
ピカソは新しい絵を描くと、馴染みの画商を呼び集め、展覧会を開き、作品の背景や意図を細かく語った。
たくさんの画商を集め競争原理を働かせることで作品の値段を吊り上げるのだ。
ピカソは価値を価格に変える方法、現代で言うマネタイズを行っていたのである。
ピカソとウェイター
とあるレストランで働いていたウェイターとピカソの間にこんな話がある。
あるレストランにピカソが訪れたとき、ウェイターの一人がピカソにこう言った。「このナプキンに何か絵を描いて貰えませんか?もちろん、お礼はします。」
ピカソはそれを承諾し、ナプキンに30秒ほどで小さな絵を描くと、にっこり笑って「料金は100万円になります。」と言った。
ウェイターは驚いて「わずか30秒で書かれた絵が100万円ですか?」と聞くと、ピカソはこう答えた。
「いいえ、この絵は30秒で書かれたものではありません。40年と30秒かけて書いたものです。」
もちろんこれはウェイターをからかっただけの話だ。
ピカソが伝えたかったのは、一つの目に見える価値は、才能と、長い歳月の努力とコミットメントの結果であり、目に見えるものだけでなくそれが生まれる原因に目を向けなければいけない。と言うことである。
まとめ
自身の名声をどのようにつくり、それをどうやってお金に換えるかを熟知していたピカソ。
一人の画家からマネジメントの知識が学べるなんて私自身想像していなかったことで、やはり芸術から学べることは広く大きいと感じさせられた。
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