今日もなんとか生きている
ストレスが溜まり始めると、好きな音楽が聴きたくなる。
爆音で、外の音なんて何一つ聞こえないように。
後ろから車が突進してきても、気づかないくらいの爆音で。
でも、ストレスよりも、気分が落ち込んでいると、好きな音楽すら聴けなくなる。
何も聴きたくない。
目からも耳からも、入ってくるものがすべて私の脅威だ。
そんなときはただ、まっすぐ前をみて歩く。足が少し浮いているような感覚がする。
歩いているのか、飛んでいるのか、もしかしたら私浮いてるんじゃないかって思うこともある。
電車に乗っても、スマホすら手に取らず、イヤホンもせず、ただ前を見て座っている。
たまに勝手に涙が流れることもある。
今どき、電車でぼーっとしてる人の方が少ない。
多分、変な人だと思う人がいるかもしれない。
でも、そんなことすらどうでもいい。他からの目も気にならない。
いつもは後ろから走ってくる人が怖くて仕方ないのに、今日は何も怖くない。
多分、今後ろから刃物を持った人に背中を刺されても何も感じないかもしれない。
今日も、やっと一日が終わった。
何もしていない毎日なのに、とにかく疲れる。
歩くだけでこんなにもだるいのはなぜなのか。
母親という立場に、私は生かされている。
私が子供たちを生かしているようで、私は子供たちに生かされている。
辛くても、疲れても、どうにかして、やることはやらなければ。
こんな憂鬱な文章を書きながら、私は今、塾から帰ってくる子供を待っている。
子供が改札にきたら、私は笑顔で「おかえり」という。
母親はいつでも強くなければ。いつでも子供を迎える存在でなければ。
今日も、なんとか生きている。
明日も無事に終わるように、ただそれだけを願って。
大好きな春の匂いがする。
でも、毎年感じる匂いよりもその匂いが薄い。
私の好きな春の匂いにはまだ遠い。
まだ本格的な春がきてないからだろうか。
そうだと信じよう。
暖かい春がきたら、私も元気になると信じて。
母親という立場ではなく、自分の足で生きていけることを信じて。