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未来というもの

過去を想うことは
ただの陶酔だ

合わせた手の 指の隙間からでさえ漏れ出る
未来というもの

未来は 脅威を持って

この景色の中に  置き去りにしてほしい
忘れて欲しい

そんな僕でさえ
手荒く掴み取って 渦の中へ放り込む

花の色も 空の表情も
背後から僕を責め立てる

過去は行き過ぎて
決して再び巡り来ない

未来は
時間を追うごとに層を深くする 空のように
ただ 見えない
まだ 見えない

沈み行く 陽気の底に隠れている
未来というもの

読んでいただき、ありがとうございます。 良ければまたいらしてください。